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マスクは使い方次第で効果なし!? サイズ選びが重要

この時期になると、マスクを使用することが増えますね。しかし、せっかく風邪の予防や花粉症対策で使用しているマスクも、正しく使用しないとかえって逆効果になることがあります。今回はマスクの正しい使い方を説明します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

マスクはまず「咳をしている人」がしましょう

マスク

マスクはこの時期には必須の道具になってきました

ウイルスや細菌は主に口や鼻から体内に侵入し、呼吸器や粘膜に感染して増殖します。痰や唾などを介して感染しますので、痰や唾をまき散らさないようにしましょう。マスクは、まずは咳をしている人がすることで、「咳エチケット」として他人への感染を防ぐことが大切です。


マスクは正しいサイズ選びが重要

マスクは大きいからといって、口や鼻への様々な物質の侵入を防ぐことができるわけではありません。

空気は通りやすい通路を通っていきます。ウイルスを含めた微粒子までを防ぐマスクであるということは、それだけ空気が通りやすい通路がない(気密性が高い)ということです。しかし、マスク自体の性能が良くても、顔との間に隙間があれば、空気ととともに病原体が侵入してきます。

したがって、まず顔にフィットしていることが重要なのです。だいたいは、子どもには子ども用サイズ、女性には小さめサイズ、男性でふつうのサイズとされています。きちんと選ぶ際には、耳と鼻の間の測った長さでマスクの大きさを決めるといいでしょう。

  • 9~11cm
    子ども用サイズ
  • 10.5~12.5cm
    小さめサイズがおすすめ
  • 12~14.5cm
    ふつうサイズがおすすめ
  • 14cm以上
    大きめサイズがおすすめ
    (日本衛生材料工業連合会)

マスク

マスクを正しくつけましょう

息苦しさからかもしれませんが、鼻を出している人を見かけます。鼻を出したマスクでは、無意味です。顎にマスクしている人は、全く意味がなく、むしろ顎での肌荒れを起こすかもしれません。意外と医療従事者もしているので残念です。

また、マスクにも再利用するタイプと使い捨てタイプがありますが、基本は使い捨てが望ましいと考えられます。外側の表面には花粉、病原体などの有害な物質が付着しているため、再利用するタイプは中のガーゼを必ず替え、外側はこまめに洗濯しましょう。使い捨てのマスクでも、その捨て方にも注意が必要です。外側を内側に丸め込むような形で捨てましょう。

耳に当たる部分も長時間付けていると痛くなるので、その使用感も大事です。痛くなると、つい外しがちになってしまいます。

マスクの種類は用途に応じて選ぼう

用途に応じた様々なマスクがあります。

  • 「ガーゼマスク」
    咳やくしゃみなどによる飛沫より大きな物に対しては有効ですが、防御機能は低いです。ただし、口腔内の保湿効果は高いです。洗濯可能で何度でも使用できます。花粉症対策には有効です。
  • 「サージカルマスク」
    不織布性マスクで、多くは使い捨てです。飛沫感染予防に主に使用されており、花粉症にも有効です。顔との間に若干の隙間が生じるので、できるだけフィットしたものを選びます。中には、ウイルスや黄砂、PM2.5に対して、ある程度の侵入を防ぐことができる製品もあります。
  • 「N95マスク」
    防塵マスクでフィルター機能が高く、0.3μm以上の飛沫核を通しません。息苦しさを感じることがありますが、最近は、弁が付いていて、空気のみ換気を良くしたマスクもあります。黄砂やPM2.5の体内への侵入を減らすことができます。

その他、ネイザルガードという鼻の周りに塗るマスクや、鼻に差し込む挿入型マスクもありますので、うまく使い分けるといいでしょう。

用途に応じて口と鼻をしっかりと覆い、顔にしっかりとフィットしたマスクを選ぶことが大事です。

花粉症に合うマスクは?

スギ花粉の飛散時期は、2~4月

花粉自体は大きいので、多くのマスクで予防できる

花粉症の代表といえばスギ花粉です。スギ花粉の飛散時期は、2~4月とインフルエンザ、黄砂の時期と重なります。

花粉症を防ぐためのマスクは、20μmの大きさの花粉が鼻やのどに侵入するのを防ぐために使います。花粉自体は大きいので、目が粗いマスクや一層マスクで十分予防できます。しかし、同時にインフルエンザや黄砂が飛散しているため、これらも併せて予防できるマスクがよいかもしれません。

もう一度確認したいマスクの効果

マスクによる効果をおさらいしてみましょう。

まず、ウイルス・細菌・花粉・大気汚染物質などの口と鼻からの侵入を防ぎます。さらに、粘膜の乾燥を防ぐことができます。粘液が多いと、粘膜への感染しにくくなり、花粉も粘膜に達しにくくなります。そして、鼻や口を覆うことで、手に付着した花粉症、病原体が鼻や口に付着するのを防ぐことができます。

しかし、有効な手段であっても正しく使われなければ、感染症の発症リスクや花粉症の症状を抑えることができません。何でもそうですが、道具は正しく使ってこそ、活きるものです。活かすもダメにするのも使い手次第というわけです。


 

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