子供の仮病の原因はちょっと先の不安であることが多い
ドキッとする仮病も、親が上手くサポートしていこう!
- 幼稚園、保育園に行きたくないから
- ママと離れるのがイヤだから
- 自分に注意を向けて欲しいから
- 友達との人間関係に悩んでいるから
- 勉強が難しいから
実は、幼少時は子供が「イヤだ」「不安だ」と感じていることをキャッチすることは比較的簡単です。というのも、小さいうちは、時間の捉え方が短いので、基本的に、仮病は遠い先のことを見越して発生することはありません。目の前のことに対して起こりがちです。これは親にとっては非常にありがたいこと。仮病が起こりがちな前後の状況を詳しく見直すことで、まずはその原因に気づいてあげましょう。
子どもの仮病への親の対応……この2つに注意を!
■子供にレッテルを貼らない
子供が仮病を使ったときに、親がやってしまいがちなミスが、子供のその行動を「さぼっている」「怠けている」と捉えてしまうこと。その日たまたま気乗りがしなかったことで「怠け者」のレッテルを貼られてしまうと、その全否定で気が萎え、あれもこれもイヤになってしまう恐れがあります。
■仮病を責めない
「もしかして、仮病?」と親が感じるのは、家に帰ったらケロッとしているというように、子供に明らかな変化があるから。でもそのとき、親が「ウソをついた」「イヤなことから逃げる手段にしている」と責めてしてしまうと、子供は逃げ場を失います。大人もそうですが、逃げ場を失ってしまうと、正しい行動が取れなくなりますよね。
だから、分かっていても、責めない。「仮病なんでしょ」と責めたところで、残念ながら事態は改善しません。親が目を向けるべきは「仮病」ではなく、その背後にある「不安感」。その不安を取り除くためのサポートをしていく必要があります。
子供の仮病に対して親にできるサポートは「正の強化」
一般的に、子供が仮病を使うシチュエーションというのは、- 目の前にある不安を回避したいとき(例:登園時、ママと離れたくない)
- その子にとって仮病が何らかのメリットをもたらすとき(例:勉強、宿題をしなくてすむ)
心理学で「正の強化」という現象があるのですが、これは、望ましい行動に対し、喜ばしい刺激をもたらすことを言います。すると何が起こるかというと、望ましい行動の頻度が増えていきます。早速、この「正の強化」を、仮病対策にどう使うかを具体的に説明していきましょう。
仮病とは、”ごくたまに”発生するものです。いつもいつもではありません。ということは、ほとんどのケースは上手くいっているわけです。例えば、幼稚園の見送りで。週5日のうち、朝、「お腹が痛い」と言い出すのが週に1回としましょう。上手くいったのが4回、上手くいかなかったのはたったの1回。5打数4安打の好成績です。しかし、親はどうしてもその1回の「仮病」が気になってしまいます。そして、上手く行った4回のことは素通りしてしまいます。
正の強化は、その上手くいった4回をしっかりほめてあげることを指します。上手く出来たことを「当たり前」とスルーせずに、しっかりキャッチし「頑張ったね」とその都度ほめることで、その子の自己効力感(「ボクは大丈夫」「ワタシならできる」という自信)は高まっていきます。成功例を重ねることは、その子の不安感を取り除く効果があるので、これによりたまの仮病を克服することが期待できるのです。
次に仮病に出会ったら、ぜひ「仮病せずに頑張った日」に目を向けてみてください。不安を乗り越えることができた日をしっかりほめて、自信をアップ。子供の心にポジティブな側面からアプローチをしていくのがおすすめです。
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