新春早々のサプライズ

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ビートたけしの爆弾発言で「お笑いブーム終了」が周知の事実になってしまった(苦笑)2015年初頭。こんなしょぼくれた雰囲気を吹き飛ばすようなニュースが、お笑い界に飛び込んでこないかなと思っていたら、予想もつかないところからサプライズが光臨してきました。

純文学の専門誌として歴史のある「文学界」2月号に、人気お笑いコンビ・ピースのボケ役である又吉直樹が小説「火花」を執筆。その影響で創刊以来初となる重版が掛けられ、1月中旬の時点で4万部の増刷が決定しています。

書店からはたちまち「文学界」が姿を消し、1冊980円の新刊が、ネット上で倍の値段を付けられるという異常な状態に(その後、重版出来で山積みに)。芸人が小説を書いたこと自体は、それほど珍しくはありませんが、純文学誌に掲載され高評価を獲得したケースは極めてレアのように思います。


文学の中で「笑い」を考える

読者からの感想もツイッターやブログ等に続々とアップされています。ただ現時点では、長めの批評文はそれほど見受けられません。雑誌に掲載されたばかりで、書籍での刊行はまだ先ということを考えれば当然かもしれませんが、正直一抹の不安を抱えております。

小説の主人公は若手漫才コンビ・スパークスの徳永。彼が出会った他事務所のコンビ・あほんだらの神谷に強く惹かれ、師弟の縁を結びます。この2人の会話が核となるのですが、そこでは「笑い」についての議論が頻繁に繰り広げられます。

従来の文学の中で、これほど「笑い」について濃密に言及されたことがあるのか、詳しくは知りません。とはいえ「火花」を論じる場合、このやり取りをどう評価するかが重要に成ってくると思います。くれぐれも文芸評論家の皆様にお願いしたいのは、従来の小説の枠組みの中からハミ出た部分を無視することなく、しっかりと論じてもらいたいのです。