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2014年騰落率ランキングは?インド株投信が上位

2014年が終わってみれば、投資信託の騰落率上位を占めたのは新興国株を投資対象とする投資信託でした。年初の予想、先進国株優位は見事に覆された1年と言えるでしょう。どんな投資信託がランキングの上位を占めたのか、2014年12月の1ヵ月間の動向と合わせて見ていくことにしましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

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インド株ファンドが上位を占める

主要国の株価指数ベースの2014年の年間騰落率を振り返ると、アルゼンチン、中国(上海)、トルコ、インド、フィリピン等々、新興国が騰落率の上位を独占しています。二桁以上上昇した先進国は見当たらないのですから、改めて予想するのは難しいと感じます。反面、どこの国が上昇するのを当てるのは至難の業なのですから、国際分散投資が必要だということが改めて認識されます。

2014年の年間騰落率ランキング

2014年の年間騰落率ランキング


新興国の株価指数が上位を占めているのですから、2014年の投資信託の年間騰落率の上位も当然ながら新興国株ファンドとなりました。騰落率ランキング上位10本の内、8本はインド株を投資対象とする投資信託です。目立っているのが、インドの中小型株やインフラ関連株を投資対象とする投資信託でした。

第7、8位に2本程、わが国の不動産投資信託(J-REIT)を投資対象とする投資信託がランクインしていますが、いずれも通貨選択型の投資信託で、選択通貨はインドネシアルピアです。J-REITも堅調に推移しましたが、そこに円安/インドネシアルピア高が加わったことでランクインしたのです。選択通貨を考慮すれば、騰落率上位は全て新興国型と言っても過言ではないのです。

第1位は騰落率81.26%、T&Dアセットマネジメントが運用する「T&Dインド中小型株ファンドでした。同ファンドは、組入銘柄数43、組入上位10銘柄が占める割合は41%(2014年11月末基準のマンスリーレポートより)であることから、選択と集中により好成績をあげたようです。

第2位は騰落率79.94%、アムンディ・ジャパンが運用する「アムンディ・インド・インフラ株式ファンド」です。上位2本と第3位以下では、騰落率に10%強の違いがあることから、2014年の1年間で見れば運用力に差が出たと言えそうです。
なお、ETFを含めれば騰落率第1位は93.84%、「上海株式指数・上証50連動型上場投資信託」でした。

12月単月は中国株ファンドが独占

2014年はインド株ファンドが席捲していましたが、同年12月の1ヶ月間だけを見ると騰落率のベスト10は、全て中国株ファンドが占めています。中国株、中でも中国本土株であるA株を投資対象(全てまたは一部)とするものが良好な運用成績を上げています。原油価格の下落と相反するように、上海株の急騰していることかを考えれば、原油価格の下落が中国経済にかなりプラスに働いていると思われます。

2014年の12月の騰落率ランキング

2014年の12月の騰落率ランキング


第1位は、DIAMアセットマネジメントが運用する「DIAM中国A株ファンド」で、騰落率は23.86%でした。第2、3位は日興アセットマネジメントが運用する「日興AM中国A株ファンド」、「日興AM中国A株ファンド2」で、共に騰落率は22.53%です。日興AM中国A株ファンドの運用手法はほぼ同じで、前者がSMBC日興証券専用ファンド、後者が公開販売用のファンドとなっています。

第1位のDIAM中国A株ファンドは、実質中国A株を通常時に純資産総額の70%程度以上組み入れて運用されます。残りは中国A株を除く中国株で運用されますが、運用報告書によれば売買高比率を高めることで運用収益を積み重ねる運用スタイルが功を奏しているようです。

投資信託だけのランキングですが、ETFを含めれば2014年年間トップであった「上海株式指数・上証50連動型上場投資信託」が騰落率36.44%で第1位でした。同ETFが年間ならびに11月、12月の2ヵ月連続の実質騰落率トップとなったことは、年終盤の上海株式の急騰が凄まじかったことを物語っています。

ただし、2014年好調だった投資信託が2015年も好調とは限りません。実際の投資信託選びでは、騰落率ランキングは1つの目安程度の活用に留めるべきでしょう。

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