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ドラマをグッと深くする活きた台詞を考えてみる(3ページ目)

想像を超えた物語の展開。未知の世界への好奇心。ドラマを興味深くする要素はいくつもありますが、今回は脚本、特に”台詞”について考えてみます。

竹本 道子

執筆者:竹本 道子

ドラマガイド

視聴者が遠ざかってしまう脚本

視聴者をガッカリさせる脚本は、視聴者が“違和感”を覚える脚本です。物語の展開が不自然である。伏線が回収しきれていない。最終回の結末を視聴者に委ねすぎ…などが考えられますが、ここでは2つを取り上げたいと思います。

1:言葉に対する感覚への違和感
登場人物の職業や育ってきた環境などで言葉も様々な形を持つわけです。しかし、言葉があまり練られていない印象を受ける場合があります。

たとえば「お嬢様お元気ですか?」「お嬢さんお元気ですか?」「娘さんお元気ですか?」など、いくつもの表現があるにもかかわらず、すべてを“娘さん”で押し通す接客のスペシャリスト。らしからぬもの言いに違和感を覚えると、途端に物語に集中できなくなります。

「だんさなん」「ご主人」「ご主人様」も同じです。「ご関係は」と聞かれ「夫です」ではなく「だんなです」と答える 有能なビジネスパーソンに「あらら…」となることもあります。また、「お疲れさま」と「ご苦労様」、「おっしゃってください」と「申してください」など、敬語の使い分けができていないため、緊迫した商談の風景が台無しになることもあります。そのあたりも含め登場人物にマッチした敬語やビジネス用語が完璧だと、ドラマは躍動感にあふれます。


2:練り切れていない見切り発車の違和感
構想○○年という作品もあれば、流行ったドラマの二番煎じとして急きょ企画され執筆されたという印象がぬぐいきれないドラマもあります。もちろん急ピッチで作られたものでも丁寧につくられた作品はありますが、結局のところ視聴者に何を伝えたいのか、何を描きたいのかが明確でなかったり弱かったりする作品もあります。当然こちらにも何も伝わってきません。「ドロドロしているよね」とか「なんか今風でかっこいいよね」の雰囲気だけでは、最終回まで視聴者はついてこないようです。

インターネットの発達で、たくさんの人がドラマの感想を発信しています。いいと感じる人もいればそう感じない人もいることはもちろんですが、なんのメッセージも感じられない作品については、多くの視聴者が疑問符を投げかけていることが多く、雰囲気だけでは誤魔化しきれないと感じます。


2015年はどんなドラマが登場するでしょう。古沢良太脚本のラブストーリー『デート ~恋とはどんなものかしら~』(月曜夜9時 フジテレビ系列にて放送)や重松清原作、八津弘幸脚本の『流星ワゴン』(日曜夜9時 TBS系列にて放送)、坂元裕二脚本の『問題のあるレストラン』(木曜夜10時 フジテレビ系列にて放送)など、楽しみな作品が始まります。

 
どんな台詞が私たちの胸を打つのか、楽しみにしたいと思います。

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