17億円を捨てて8年ぶりの古巣復帰を決めた理由とは?
黒田の見せた“男気”は、アメリカ人には理解しがたいものだった。
メジャーで活躍した選手が日本球界に復帰するパターンは、今や確立しつつあるが、黒田の場合はそのパターンとは明らかに異なる。
日本球界復帰前のメジャー最終年で一番勝ったのは吉井理人(2002年エクスポズ、現ソフトバンク投手コーチ)の4勝で、次は伊良部秀輝(2002年レンジャーズ)、石井一久(2005年メッツ)の3勝だった。それに対し黒田は11勝9敗で、日本人メジャーリーガー初の5年連続2ケタ勝利を挙げているのだ。その上、メジャー7年間の通算成績が79勝79敗、防御率3.45という安定感で、今年2月に40歳を迎えるとはいえ、メジャーで激しい争奪戦が繰り広げられたのは当然だったといえる。
3年間在籍したヤンキースは、先発陣で唯一ローテーションを守った黒田との再契約を強く望んだのを始め、2008年から4年間プレーしたドジャース、さらにパドレスが獲得に名乗りを挙げていた。なかでもパドレスはヤンキースでの年俸1600万ドル(約19億2000万円)を上回る1800万ドル(約21億6000万円)を提示し、“本気度”を全面に押し出していた。
ところが、黒田が選んだのは、年俸4億円プラス出来高払いの1年契約を提示した広島だった。
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