超低金利でも、会社が財形年金をやっているなら利用したい
「超低金利だから、定期預金の積立なんかやってもほとんど増えないよね」というのが普通の人の発想です。しかし、「超低金利の今こそやっておきたい積立」があります。それは財形年金です。お金に関する常識をひっくり返す、逆転の発想でお金のヒントを見つけ出す「3分間マネーハック」、今回は財形年金の魅力について説明します。
実は財形制度はあまり流行していないのですが、あえてオススメする理由はなんでしょうか。なぜ、超低金利の今のうちに始めておいた方がいいのでしょうか。
預貯金の利息が非課税になるのは財形だけ
まず、簡単に財形制度について説明をします。財形というのは勤労者財産形成促進制度といわれる制度の略です。会社が実施する制度ですが、実際のお金は社員である私たちが給料から自己負担して積立を行います(会社によっては奨励金としてちょっとお金を上乗してくれることもあります)。
希望者については会社が給料から自動的に引き落とし(天引き)金融機関に直接入金してくれます。貯金をサボったりする心配もなく確実にお金が貯まる仕組みです。
財形貯蓄には「一般財形」「住宅財形」「年金財形」の3種類があって、このうち住宅と年金については利息が非課税になります。預貯金の利息は20%税金を引かれるのですが、これが一切引かれないわけですからお金を効率的に貯めることができます。
住宅財形と年金財形については合計で550万円までが非課税です。なお、年金財形については5年以上積み立てる必要があるため55歳未満の会社員でなければ入れません。また利子が非課税になるのは年金受け取りした場合です(5~20年で分割受取する)。
高金利になったら魅力が増大する財形年金
さて、年金財形がなぜお勧めできるかというと、これから金利が上がっていく可能性が高まっているからです。デフレ、つまり物価が上がらないどころか下がる状態においては金利も下がります。今は歴史的にみても珍しい超低金利といわれる時代にいます。1年ものの定期預金が0.025%とかほとんど増えない利回りです。
しかし、こうした状態が長続きすることはまれで、そろそろ物価が上がる時代に戻ると思われます。消費増税による値上げだけではなく、吉野家が値上げに踏み切ったように、今までよりモノの値段そのものが上がるようになっていくのです。
このとき、物価上昇率イコールとはいわないものの金利も上昇していくと思われます。仮に、0.025%の金利が1.0%や2.0%になったとしても、そのときあわててゼロから積立をしても、高金利がかかってくるのは預け入れ残高に対してです。たった数万円では高金利もほとんど影響が出てきません。
ゼロからスタートしたばかりの10万円しかなければ、2%の年利も2000円です。しかし、すでに100万円ある状態で年利2%になれば利息が年2万円も入ってきます! これが1万6000円に減らされるのではなく2万円全部自分のものになるとしたら! 高金利になるほど20%の税金は大きく引かれることになります。
今のうちから毎月5000円でも1万円でもいいので財形年金の積立をスタートしておけば、高金利時代に50~100万円くらい貯まっているかもしれない、というわけです。
ある程度まとまったお金を手にして高金利環境に突入するため、あえて今財形をスタートさせてみたいのです。