出資者から見たクラウドファンディング
私は、ガジェットを中心にいくつかのプロジェクトに出資をしているので、その経験を折り込みながらご紹介していきます。出資の醍醐味は、アイデアにあふれるガジェット開発のプロジェクトを支援できることです。場合によっては、開発へ部分参加できることもあります。
また、プロジェクトごとでさまざまですが、多くは限定品が用意されたり、定価の60%程度の価格で、安く、そして早く製品を手に入れられます。早期入手できる分だけ製品の完成度が低いこともありますが、自分からフィードバックをして開発の手助けをすることもできます。作り手の利益になることを考えたり、製品に疑問を持ったら、相手に質問をしてみることです。作り手との距離が近いのもクラウドファンディングの醍醐味です。
プロジェクトが目標金額に到達すると決済が行われ、目的額に到着しなければ決済されません。出資金の支払いは、クレジットカードを使うのがメインです。たとえば、KickstarterであればAmazon Paymentsを使って決済します。決済には、Amazon.comのアカウントが必要です。
良いことばかりではなく、注意点もある
資金調達時には、製品の出荷時期が一緒に公開されています。しかし、これはあくまで目安です。すべてのことがうまく進んだ場合の見通しで、必ずこのタイミングでリリースされるというものではありません。Kickstarterから産まれたNeptune Pine
筆者の経験で言えば、スマートウォッチを再発明するという謳い文句で出資を募った「Neptune Pine」は、当初予定の10ヶ月遅れで製品が出荷されました。新しいチャレンジには困難が付きものです。プロジェクトの進行を長い目で見ていこうという気概が必要になります。
また、当初予定のスペックを達成することができずに、仕様変更される可能性もあります。たとえば、欲しかった機能の一部がなくなってしまうこともあるワケです。また、最悪ケースでは出資額をすべて失う可能性もあります。手軽に出資できるので、ECサイトの予約販売のようだと勘違いをしそうになりますが、あくまでも出資です。ご紹介したようなリスクを理解しておく必要があります。
クラウドファンディングは、インターネットを通じて「造りたい」と「欲しい」をうまくつなげる枠組みです。クラウドファンディングでの資金調達をキッカケに、よりビジネスを拡大しているプロジェクトもあるので、一過性のものではなく、新しい起業の手段としても考えられます。