中央線、西武多摩川線がクロス、
大学などが多く、若い人の姿も多数
中央線沿線には大学を始めとした学校の多い街が少なくありませんが、新宿から中央線で約20分、武蔵境(東京都武蔵野市)も同様。亜細亜大学(武蔵野キャンパス)、日本獣医生命科学大学、ルーテル学院大学、国際基督教大学(ICU)、日本赤十字武蔵野短期大学などがあり、街中では学生らしき若い人の姿を多く見かけます。また、ここには武蔵境から是政(府中市)までは西武多摩川線も走っていますが、この沿線にも東京外国語大学、アメリカン・スクールなどがあります。
ちなみに西武多摩川線はもともと、多摩川で採掘された砂利を運ぶための路線で、西武鉄道の他路線とは接続がありません。沿線には前述の学校のほか、多磨霊園、警察大学校、警視庁警察学校などがあり、このところ、乗降客数は増加傾向に。多摩川競艇へのアクセス路線でもあります。
武蔵境で、もうひとつ、大きな存在は住宅。増加が始まったのは1959年(昭和34年)に武蔵野市では二番目となる団地として桜堤団地が竣工以降。この団地は全153棟、戸数にて1829戸という規模があり、敷地内には仙川が流れ、団地の周囲、団地内に桜並木が連なるという住環境に恵まれたもので、段階的に建替えられ、現在はサンヴァリエ桜堤となっています。
その後、1970年代に駅南口を中心に100戸内外のマンションが建てられ、さらにここ数年は前述のサンヴァリエ桜堤周辺や駅前、線路沿いなどに100戸超の規模の大きなマンションが相次いで分譲されています。小規模な物件がないというわけではありませんが、ここ数年くらいで見ると比較的規模の大きめな物件が供給されてきたのが特徴かもしれません。
その一方で農地も多く残されています。駅から数分ほどの場所にも広がっており、軒先で獲れたて野菜を買える直売所や摘み取り、もぎ取りが体験できる農家も点在。新宿まで20分ほどという利便性の高い街でありながら、地元の新鮮野菜を味わえる場所でもあるというわけです。
駅南口には大型商業施設に話題に市新施設、
高架下にも遊歩道、商業施設が
さて、そんな武蔵境の駅周辺の様子を見ていきましょう。まず、駅南口。駅前にはロータリーがあり、その向かいにはバス通りを挟んでイトーヨーカドーの東館、西館が。スーパーにレストラン、ファストフード店、専門店街が入っており、毎日の買い物はほぼここで揃います。その裏側まではオフィスビルも混在しますが、以遠は基本住宅街になります。
南口で人目を引くのは武蔵野市立『ひと・まち・情報 創造館武蔵野プレイス』。ここは図書館であり、生涯学習支援、市民活動支援、青少年活動支援などの多機能をも併せ持った複合機能施設とされ、古くは農水省食糧倉庫跡地。市は昭和48年以降払下げを要望、40年の歳月を経て平成23年1月に竣工したものです。
年代、性別、ニーズの異なる多くの人たちが集まり、交わることで地域社会(まち)の活性化を深められることが意図されているとあって、いつ訪れても賑わっています。建物内はもちろん、その前に広がる庭園、置かれたベンチでくつろぐ人も多く、すでに街の中心的な役割を果たしつつあるようです。
北口正面にあるのは「すきっぷ通り」と書かれた看板のある、約200mほどの商店街。亜細亜大学や駅北側にある都立武蔵高校の通学路となっていることもあり、若い人向けの店と古くからの店が混在しています。1974年(昭和49年)からある商店街で、2年ほど前にご当地サイダー「むさし境サイダー」を発売して話題になりました。
もうひとつ、南口でも北口でもない場所に新しく生まれた空間があります。それは三鷹~立川間の高架化で生まれた高架下。駅と向かい合うようにnonowaと呼ばれるスーパー、ベーカリーなどが入った商業施設があり、そこから東小金井方面に向かってはののみちと呼ばれる遊歩道が伸びており、高架下にはクリニックや保育所、カフェなど多様な施設があるのです。
高架下といえば、暗い、人通りのない場所という印象がありますが、ここには街灯はもちろん、植栽もあり、ところどころにはベンチ、街の案内掲示なども置かれています。また、駐輪場の隣にはスイクルと呼ばれるサイクルシェアシステムのステーションがあり、街中を移動するには便利そうです。
ちなみに、学生が多いことが要因なのでしょうか、この街で知る人ぞ知る名物といえば油そば。汁のないラーメンのようなもので、最近は他店でも出すようになりましたが、亜細亜大学近くの創業60年近い老舗が発祥なのだとか。その他、肉汁などのつけ汁で食べる武蔵野うどんの店が多いのもこの街らしいところ。個人的には武蔵境といえばソーセージ、ハムの名店を思い浮かべます。歴史のある街にはおいしいものがあるわけです。
続いて中央線武蔵境の住宅事情を見ていきましょう。