いまの子どもたちはそんなに「暴力的」なの?

子どもの暴力件数増

現代の子どもは、「暴力的」なの?

文部科学省が発表した13年度問題行動調査で、いじめや破壊行為など、小学生が起こした暴力行為の件数が、2007年の調査開始以来、初めて1万件を超えたと発表された。これは、7年前からの3倍にものぼるという。「教室内には感情をコントロールできない子が増えている」とも指摘される昨今、日本の子どもたちに何が起きているのだろう?

ゆとり教育からの揺り戻しで子どもの学習負担が増えたからではないか?など、子どもの問題行動を学習指導要領改訂問題とからめて指摘する人もいるが、2011年からのいわゆる「ゆとり廃止」からはまだ3年の実績しかないことを考えると、子どもの暴力件数はゆとり時代から「着実に」増加してきたとも言える。ではなぜ、現代の子どもの暴力報告件数は増加したのだろうか?

「キレやすい子どもが増えた」その理由とは

この結果の理由には、二面あると思う。実際に、感情のコントロールなど我慢の経験の少ない子どもが増えたこと、そしてもう一つは、学校環境や家庭、地域における「暴力」への意識や認識の変化だ。

キレやすい子どもが増えた、という意見は10年前からメディアに取り上げられてきた。大人たちは子どもが起こす問題の理由探しに躍起になり、「食生活」や「睡眠不足」、「ネット」や「ゲーム」に「スマホ」、「少子化」「教育ママ/パパ」「モンスターペアレンツ」、さらには「子どもの貧困」などに理由を求めたけれど、じつのところ、まだ誰も確たる調査結果や結論は出せていないのが現状だ。

ただ、これらが複合的な原因となって我慢のできない子どもが増えたというのは、学校現場で子どもと携わる専門家たちは日々の実感、問題意識として抱えている。

確かに現代の生活では、食も暮らしも変わり子どもは減り、むかしは存在しなかった電子機器に囲まれている。しかし社会全体がまんべんなく現代化している以上、変わったのは子どもばかりではなく、大人も同じこと。子どもがコミュニケーション能力をはぐくむ上で決定的にむかしと違うのは、地域や家族とのかかわりが薄くなる中、子どもが我慢を強いられる、せざるをえないという経験をする機会自体が良くも悪くも減っていることだ。

子どもが一方的に自発的に我慢を拒否し、コミュニケーションを学ぶことを拒否しているのではない。それは双方向の問題であり、大人や地域や社会が、子どもに我慢をさせなかったり、きちんと話をしなかったり、密に時間を過ごさず電子機器にベビーシッターをさせたり、集合住宅や新興住宅地化で近隣との関係がめっきり薄くなったり、面倒な地域の祭りを廃止してしまったり、子どもへの関わり方を変えてしまったからでもある。

子どもの変質はつまり大人の変質であり、社会の変質でもある。ある意味では、キレやすい子どもは、キレやすい社会によって育てられているとも言えるのだ。