石田陽子の恋愛コラム/石田陽子の恋愛情報

愛する人のこと、本当に知っていますか?

あなたは最愛の人のことをどれくらい知っていますか? 現代を生きる男女の負の感情、興味深い結婚生活の裏側をスリリングに描いて大ベストセラーになった小説を映画化した『ゴーン・ガール』。作品から学ぶべきこととは?

石田 陽子

執筆者:石田 陽子

恋愛ガイド

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映画『ゴーン・ガール』の事件は他人事じゃない!? 

デヴィッド・フィンチャー監督の最新作『ゴーン・ガール』(12月12日公開)は、大ベストセラー小説を映画化した作品。失踪事件を起こした若い夫婦の姿から浮き彫りになる現代を生きる男女の負の感情、そして興味深い結婚生活の裏側がスリリングに描かれています。

ゴーン・ガール

(c)2014 Twentieth Century Fox


物語の主人公、ニューヨークでライターをしていたニック(ベン・アフレック)は、ステキな大人女子エイミー(ロザムンド・パイク)と大恋愛の末に結婚。

小さな街で何不自由なく暮らしているかのように見えましたが、結婚5周年の記念日にエイミーは突然姿を消してしまいます。居間のガラステーブルが割られ、キッチンには血痕を消した跡が残り、エイミーからニックに宛てた“結婚記念日の宝探し”のヒントを残したまま……。

当然、ニックが第一容疑者として疑われます。アリバイも不自然なうえ、警察から質問されても「パートナーの血液型も友人も、昼間の行動も分からない」ニック。その後、エイミー失踪事件は思いもよらない驚く展開を見せるのですが、相手を理解しているつもりでも、理解していないこと……というのはニックに限ったことではないかもしれません。

愛する人のことをどれだけ知っていますか?

『ゴーン・ガール』を配給する20世紀フォックス映画が15~59歳の配偶者/恋人のいる男女300人を対象にしたパートナーに関する調査によると、「10人に1人(10.3%)がパートナーに殺意を抱いたことがある」と回答しています。

この調査では、ほかにも「パートナーに秘密にしていることがある」と答えた人は63%、「パートナーのことを100%理解している」と回答した人は9.7%、ニックのようにパートナーの友人のことや昼間の行動、血液型すら知らない人は90.3%でした。

本作で脚本も担当したギリアン・フリンの原作が600万部突破の大ベストセラーとなって注目されているのは、心理サスペンスとして賞賛されているだけでなく、怖すぎて笑ってしまうブラックユーモアが随所に仕掛けられているから。

洗練されたセレブ女子として育ち、周囲の人からいつもご機嫌で完璧な女性として尊敬されていたエイミー。愛するニックにとって理想的なパートナーであり、最高の妻になろうとしたからこそ起きた事件と、彼女の知られざる秘密……。

美しい容姿にフレンドリーな対応、男性からモテる要素に加えて女性からも一目置かれるタイプのエイミーは、とにかくゲームが好きでした。周到な計画を立てるのが得意で、自分の思い通りに事が運ばなくなると、どんな手段を使っても勝ちにいきます。(こういうタイプ、あなたの周りにもいますよね?)

恋愛の心理テストや相手の心を掴む完璧なテクニックを持っている人ほどハマりやすい落とし穴。勝ちも負けもない恋愛や結婚に完璧な理想を持ち込むとどうなるか、この物語の怖さは親密な関係ゆえに抱く感情にあるのです。

恋愛や結婚に関する情報があふれる現代の女性たちにとっても、これは他人事ではない話かもしれません。

誰もが自分の理想とする相手と幸せな結婚生活を送りたいと願いつつ、ご紹介したアンケート結果のように実際には相手のことを、また相手が送るサインを理解していないということもあるのです。あなたはどれだけ愛する人のことを知っていますか?

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