インド/インドの観光・世界遺産

インド旅行で絶対に気をつけるべき5つのこと(3ページ目)

インドは世界で一番美しい建築物といわれるタージマハールをはじめ、様々な世界遺産や遺跡で人気の観光地です。しかし、必ずしも気安く旅行できる国というわけではなく、インド特有の事情による注意すべき点が少なからずあります。一般的な留意点に加えて、インドならではの見落としがちな注意点5つをまとめてみました。

中原 健一郎

執筆者:中原 健一郎

海外旅行ガイド


その5 お金や物品を求めてくる人たち

これは、いままで申し上げてきたような注意とは少し目線が違います。物乞いに対して注意すべきというよりは、我々の覚悟とでもいうべきか、こころの準備のようなものが必要になってくると思うのです。

インドと日本では全然事情が違います。まずお金を求めてくる人たちの絶対数の多さもさることながら、その存在は良くも悪くもインド社会の中に極めて自然に溶け込んでいるような感じを受けるのです。施しを求めるほうも、するほうも全く気負いがなく普通なのです。

一例を挙げましょう。ムンバイの近郊列車は山手線もびっくりの大混雑ですが、そんな中にもバクシーシ(喜捨、施しのこと)を求める人たちは悠然と入ってきます。それに目くじらを立てるような人はおらず、たいてい5~6人に一人は何がしかの小銭を分け与えていたりします。驚くのは、それに対して礼やら感謝やらのそぶりをほとんど見せないこと。施したほうも、特別な事をしているような感情の動きはありません。どうやらここインドでは、そうしたことに対し、何か不可避的な、社会の一部としての認識が浸透しているのかもしれません。

コルカタのマザーハウスにあるマザーテレサの棺。今も訪れる人が絶えない

コルカタのマザーハウスにあるマザーテレサの棺。今も訪れる人が絶えない

となれば、私自身の経験や多くの人の会話でもよくある話なのですが、不意に思い立って、たとえ1ルピーのバクシーシでも何か助けになる事をと考えたりするものなのですが、往々にして、やはりそれはせいぜい偽善の域を出ていないのではないかという葛藤に直面することになります。有名なコルカタのマザーハウスは今でもボランティアが熱心に活動しており、観光客も多いですが、自分がマザーテレサにはなれないことはすぐに自覚させられるのです。

 


あるインドの寺院。参道に喜捨を求める人の姿も見える

あるインドの寺院。参道に喜捨を求める人の姿も見える

時にわれわれの覚悟が試されるのが、寺院を参拝(観光)する際です。寺院は最も物乞いが行われている場所で、長い参道には何人もそうした人たちが並んでいることもしばしば。見れば全員子供を抱えた母親でその境遇もほとんど同じに見えます。一人に施せば「私も、私も!」となるのは必定、さて差し伸べられた沢山の手の中からどの人を選びますか? それとも、全員を無視して通り過ぎますか? それが毎日毎日、一日何回も続くのです。

答えなんてありません。表面的に言えば、インドではそうした光景が多いので気をつけてくださいという言い方もできますし、それは間違いではないですが、それだけではなくこういう心の葛藤を繰り返す準備をしておいてほしいとも思うのです。あえて言えばそれがここで申し上げたい「注意」ということになります。

その他の注意点について

その他、一般的な注意点を何点か挙げておきます。
  1. 左手…先述のように左手は不浄の手ですので握手や物の受け渡しなどには使いません。
  2. 食あたり…インドでは世界に存在する経口感染症はほとんど存在します。火の通ったものを口に入れるなど予防法は変わりませんが、より意識して。
  3. 麻薬…存在しますが、もちろん違法。論外です。
  4. 酒…インドでは飲酒はあまり好ましくありません。買えなくはないですが、非常に少ないですし、こっそり部屋で飲ませていただくくらいのつもりで。
  5. 泥棒…多いです。荷物管理はしっかりと。
  6. 交通事故…これも日本に比べれば多いです。歩行中は気を抜かないこと、乗り物はできるだけスピードの出なそうな安全なものを選ぶこと(かなり難しいですが…)。乗車中は居眠りなどしないこと。
  7. クレジットカード…よほど信頼できる店やホテルでない限り、使わない方が無難。特に相手からカードの使用を勧められたら絶対に使わないこと。
  8. 4月~5月は40℃を超える毎日!暑いニャ~……食べ物にも注意!

    4月~5月は40℃を超える毎日!暑いニャ~……食べ物にも注意!

  9. 季節…インド旅行は季節によって全く快適度、ひいては印象が変わってきます。エリアによって大きく気象条件が変わるのも国土の広いインドの特徴で、一般的な北インドでは一番暑いのは真夏ではなく4月から5月。日中は40℃超えで観光どころではなくなります。また、夏は多くの地域で降雨量に注意が必要です。特に西ガーツ山脈西側のムンバイやゴアでは、月に1000ミリ近くの雨が降る場合も(東京の6月が150~200ミリ程度)。食物の衛生状態もこの季節は悪化します。
  10. 話題…インドは周辺の国々との複雑な政治問題を抱えており、また国民の宗教も多様です。特に、カースト制度などについては不用意な発言は慎みましょう。
  11. 男性…まだまだ女性の社会進出が進んでいるとはいい難い上、男女の自由な恋愛も難しいインドでは、外国人女性は「自由」と勘違いされている場合もあります。誤解を招くような言動は厳に慎んでください。

いろいろ読んでいただいた方にはインドへ行くのが怖くなってしまった方もいらっしゃるかもしれませんが、それは間違いです。インドはそれを補って余りあるほど素晴らしい魅力のある国ですので、引き締めるべきところはきちんと締めて、思い出に残る旅行を楽しんでください!
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