“長く愛する”派も大切にケアする欧州ブランド
本当に、シャシーとサスペンションの具合がいい。機械として精緻である。しかも、ドライバーに対する思いやりに満ちている。いまどき、そのあたりのパートは電気信号やコンピューターでやりくりするが、このクルマはそれを信頼に耐えうる機械で行なっている感じがして、運転好きにはたまらない。特に、真っ直ぐ走っているときの凸凹への対処や、曲がっている最中の自然な車体の傾きなど、乗り手が心地よいと思う動きを、このとき既にメルセデスは機械操作でモノにしていた。ある意味、その模倣から電子制御の歴史が始まったと言えそうだ。
たまに街中で、古いナンバーをつけた190Eに出会うが、きっと彼らは、まだまだ使えるし気に入っているから手放さないのだろう。今のクルマが失いつつある、愛着のわく日常のパートナー・フィールに満ちている。
メルセデス・ベンツ日本のアフターサービス部が中心となって手がけた、プチ・レストア。交換された部品の8割以上は、日本に在庫されていたものだという(それ以外はもちろん、本国から取り寄せることができた)。要するに、メルセデスあたりともなれば、多少古いモデルであっても、責任をもって対応できるということ。
2.3Lを積む190E2.3や2.6L直6の190E2.6、ディーゼルの190Dなどをラインナップ。175psの2.3L16バルブを積む190E 2.3-16や、200psの2.5Lを積んだ190E 2.5-16などハイパフォーマンスモデルも用意された