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時事問題を5つの話題から予想する 2015年中学入試(2ページ目)

中学入試の季節がいよいよやってきましたね!そこで今回は、2015年入試に出題される「時事問題」にスポットライトを当てて、2014年のニュース5つからの出題予測を、理科・社会を中心にズバッとしていきたいと思います。これを読んでいれば、中学入試で得するかも!

宮本 毅

執筆者:宮本 毅

学習・受験ガイド


「世界遺産に登録された富岡製糸場」から狙われる歴史・地理

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富岡製糸場(群馬県)は日本の近代産業遺産としては、初の世界遺産となりました。

2014年6月、群馬県の富岡製糸場が「富岡製糸場と絹産業遺産群」として世界文化遺産に登録されました。これにより日本の世界文化遺産は14件目、自然遺産とあわせると18件目の登録となります。

世界遺産は国際連合の専門機関であるユネスコ(UNESCO:国際連合教育科学文化機関)が認定・登録をおこなうもので、1972年にユネスコ総会で採択された「世界遺産条約」に基づいています。世界文化遺産に関しては、ユネスコの諮問機関であるイコモスが審査・評価してユネスコに報告し、それを受けて登録されるという流れがあります。富士山が2013年に世界文化遺産として登録されたことは記憶に新しいでしょう。

これに関連する出題として考えられるのは、まず18件ある日本国内の世界遺産の名称と場所です。日本地図でしっかりと確認しておきましょう。紛らわしいところでは、天台宗の総本山である比叡山延暦寺は滋賀県にありながら「古都京都の文化財」の一部となっていることや、真言宗(高野山真言宗)の総本山である高野山金剛峰寺(和歌山県)は古都奈良の文化財ではなくて「紀伊山地の霊場と参詣道」に入っていることなどです。区別して覚えておきましょう。

また、富岡製糸場が作られたころの歴史背景も是非確認しておきたいところです。当時の日本は「富国強兵」「殖産興業」というスローガンを掲げて、欧米列強に追いつけ追い越せと躍起になっていた時期でした。日本の近代化が一気に進んだ時期でもあり、普段から出題頻度の高い時代です。明治維新から太平洋戦争までをしっかりと復習しておくと良いと思います。

世界遺産は文化遺産や自然遺産だけではありません。2013年に「和食」が登録されたことで話題となった「世界無形文化遺産」(日本の登録数は22点)や、同じく2013年に「御堂関白記」と「慶長遣欧使節関連資料」の2点が登録された「世界記憶遺産」(日本の登録数は3点)があります。「世界無形文化遺産」については「和紙 日本の手漉(てすき)和紙技術」が登録される見通しとなっており、すでに登録されている「石州半紙」(島根県)に、「本美濃紙」(岐阜県)と「細川紙」(埼玉県)を加えることを目指しています。それぞれすべてを暗記する必要はありませんが、主なものについては確認しておいた方がいいでしょう。


日本全体が童心にかえった「皆既月食」から理科の出題も

2014年は月食が2度観測された年でした。まず4月15日の部分日食、そして10月8日の「皆既月食」です。今回は2011年以来、実に3年ぶりの皆既月食でした。東京では途中、やや雲に隠れる時間がありましたが、欠け始め、皆既月食、そして見え始めとさまざまな月食の姿を観測することができ、日本中が月食フィーバーとなった一日でもありました。

皆既月食のあった年には、理科で月食関連の出題が増えます。また、似たような天体ショーとして「日食」についての出題も増加します。まずはそれぞれの原理をしっかり理解しておきましょう。月食は地球の影につきが入りこむ現象、日食は太陽と地球の間に月が入りこむ現象です。そのため月食は左から欠け始め、日食は右から欠け始めます。原理をきちんと理解せず丸暗記をしますと、このあたりがごっちゃになってしまいますので、これを機会に原理をしっかり学んでおくとよいでしょう。

ちなみに次回の皆既月食は、2015年4月4日です。今年小6受験生でなくとも、天体分野としては比較的よく出題される単元ですので、今年のうちに学習を進めていくとよいと思います。


日本人が世界に誇る「青色LED」に絡めて理科の応用問題が出る可能性アリ

忘れてはいけないのが、青色発光ダイオード(LED)を開発した赤崎勇(名城大教授)、天野浩(名古屋大学教授)、中村修二(米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授)がノーベル物理学賞を受賞したことです。

今回のこの受賞は、青色発光ダイオードの発明そのものが評価されたというよりも、実は別の理由がありました。それは、青色発光ダイオードの発明により、従来からある緑・赤の発光ダイオードと混合することで、完全な白色光源を作り出すことができるようになったというものです。

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光の三原色。過去にも入試問題になったことがあります。

光というのは、右の図にもありますように、青と緑と赤を混ぜることで白を作ることができます。青と緑と赤は「光の三原色」と言います。今回のノーベル賞で日本人三人が受賞したことを知識問題として出題してくる可能性もありますが、「光に三原色」の応用問題として出題される可能性も充分考えられます。もしかしたら関連事項として「色の三原色」も出されるかも。しっかり学習しとくようにしましょう!


 
時事問題で入試に出題されそうなトピックは他にもたくさんあります。重大ニュースにつきましてはいろいろな出版社が本を出しておりますので、そうしたものをうまく活用して学習を進めてみてください。

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