2度の再開発で生まれ変わった北口側には
公園や体育館、大型商業施設などが
北口ロータリーの向こうに見えるのはアルカタワーズ錦糸町の一部、アルカキット。商業施設が入ったビルで、この背後にオフィス棟、ホテル棟などが並ぶ
今度はかつて国鉄(現在のJR)用地が広がっていた北口側を見てみましょう。南口に比べ、開発が遅れていた北口ですが、現在は1997年に完成した、8棟の高層建築物からなるアルカタワーズ錦糸町が線路に沿って整然とした姿を見せています。この中には商業施設、ホテル、オフィスに住宅、そして小澤征爾氏が名誉指揮者を努める新日本フィル交響楽団のフランチャイズホールである、トリフォニーホールなどがあり、この完成以降、錦糸町のイメージは変わり始めたと言っても良いかもしれません。つまり、猥雑な繁華街としてのイメージに、オフィス街や住宅街、そして文化の街としてのイメージが付加されてきたのです。
北斎通り沿いには北斎の絵が飾られ、トイレも北斎の絵でラッピングされている。歩道も整備されて大きな通りだが、交通量はそれほど多くない
実際、墨田区は北口駅前から両国に続く道路をこの地に住んだ画家葛飾北斎にちなんで北斎通りとして整備、平成24年度には両駅間にある緑町公園内にすみだ北斎美術館をオープンする予定です。ちょうど、隣接する押上に東京スカイツリーが建設されることもあり、錦糸町~亀戸エリアを観光客も訪れるスポットにしたい、そのためには繁華街オンリーのイメージを払拭、文化的なイメージをアップさせたいのではないかと思われます。
再開発で生まれて商業施設オリナスとタワーマンション。休日ともなると周辺から多くの人が集まり、ごった返す
再開発されたのは線路沿いだけではありません。駅東側に広がる錦糸公園に隣接した旧精工舎跡地にも2006年にタワーマンションとオリナスと呼ばれる大規模な複合商業施設が誕生。一気に街のイメージ、集客力を変えました。
新装なった墨田区総合体育館。錦糸公園内にあり、公園内では各種イベントやフェスティバルなどが開かれる。この日はハワイアンフェスティバルでフラダンスが行われ、ハワイアングッズの店などが出ていた
また、2010年4月には錦糸公園内には墨田区総合体育館が新装され、大きなイベントなどにも対応できるようになりました。本格稼動はこれからですが、かつての施設よりもはるかに充実した設備、広さから地元では利用者が増加していると聞きました。
駅周辺では1階に飲食店や店舗、オフィスなどが入った建物が目に付いた
再開発エリア以外では北口側もあまり整然とは言いにくい街並み。駅に近いところには飲食店に混じって小規模な集合住宅などが密集しており、便利ではあるものの、環境としてはどうなのだろう?というのが率直なところです。
一戸建てがないわけではないが、あまり数がない。住宅街の中のところどころに小規模な工場が見えるのがお分かりいただけるだろうか
しかし、駅から離れると5分圏内は商業、近隣商業といった用途地域が多いもの、それ以上離れると、集合住宅中心の住宅エリアとなり、北斎通り沿いはもちろん、そこから入ったエリアは閑静と言っても良いほど。ただ、場所によっては小規模な工場などもあります。住まいを選ぶときには用途地域、周辺環境は十分にチェックする必要があるでしょう。
今回取り上げたエリアの概念図
総武線、東京メトロ錦糸町周辺の主な道路と施設その他の位置概念図
最後に気になる
錦糸町の住宅事情と相場を見て行きましょう。