注意!フリーランスの5人に1人は貯蓄0円?
収入の変動だけでなく、お金の面でさまざまな不安があるフリーランス。貯蓄などでうまくカバーしてきたいですね。
さらに内訳を見てみると、フリーランスの約10人に1人が、「貯蓄額が1000万円以上」(12.2%)で、正社員の貯蓄額(9.4%)に比べると、やや多いようです。
ところが、フリーランスの5人に1人(22.2%)は、「貯蓄額が0円」という結果に。正社員の18.4%に比べると、フリーランスの貯蓄額0円の割合が高くなっています。貯蓄0円という方は、要注意ですよ。
なぜなら、お金の面で、会社勤めにはあってフリーランスにはないものが、意外とたくさんあるからです。以下、フリーランスにないもののうち、代表的なものを5つお伝えします。
(※以下のお金をもらうには、諸条件を満たす必要があるものもあります)
1:「有給休暇」がない
会社に勤めていると、1年ごとに定められた有給休暇がありますので、風邪をひいたり、冠婚葬祭などの用事があったりして会社を休んでも、出社したときと同じ程度のお給料がもらえます。ところが、フリーランスに有休がありません。どんなに高熱で休んでも、のっぴきならない用事があっても、仕事をしない限り収入にはつながらないのです。
2:「ボーナス」や「退職金」がない
6月や12月などにまとまった金額をもらえるボーナスですが、フリーランスにはありません。会社勤めで、(あまりよくない例ではありますが)月々の家計の赤字をボーナスで補填するという方もいますが、フリーランスは、ボーナスという大きな挽回の機会がありません。払い過ぎた税金の一部が戻ってくる「確定申告」は、フリーランスにとってのボーナスのようにも思えますが、年収からの割合でいえば、それほど大きくない金額です。
さらに、フリーランスには退職金もないため、退職する際にまとまった金額を用意したい場合は、事前に貯めておく必要があります。(その際は、貯蓄だけでなく、小規模企業共済などを利用する手もあります)
3:「労災」や「傷病手当金」がない
会社に勤めていれば、業務上や通勤に関するケガや病気に関しては、労災が適用されるケースがあります。しかし、フリーランスに労災はないため、仕事上のケガや病気であっても、自分で医療費を支払う必要があります。また「傷病手当金」といって、ケガや病気で会社勤めができなくなった場合、最長1年6カ月間、お給料の約3分の2(正確には、標準報酬日額の3分の2)がもらえますが、フリーランスにはありません。治療費や生活費などを、自分の貯蓄から払う必要があるのです。
4:「厚生年金」や産休・育休でもらえるお金がない
会社勤めの方は、「国民年金+厚生年金」の“2階建て”の保障があります。一方フリーランスは、「国民年金」の“1階建て”です。厚生年金によって、病気やケガで障害を負った際の障害厚生年金や、死亡したときの遺族補償として遺族厚生年金があるため、フリーランスより多くもらえます。また、会社勤めの方は、老齢厚生年金があるため、老後にもらえるお金が多くなります。
そして、女性の場合、会社勤めなら、産休の際の出産手当金、育休の際の育児休業給付金がありますが、フリーランスにはありません。(フリーランスでも、妊婦健診の助成や出産育児一時金は受け取れます)。出産・育児で収入が減る時期は、貯蓄などでカバーする必要があるわけです。
5:家賃補助やパソコン、文房具などの支給がない
その他、会社勤めをしていると、家賃補助やパソコン・文房具などの支給がありますよね。フリーランスは、それらをすべて自分でそろえる必要があるため、パソコンが壊れてしまった際など、何かと「まとまったお金」が必要になります。…なんだか、「ないない尽くし」で、フリーランスの方はガッカリしたかもしれませんが、一方でメリットもたくさんあります。
お金の面ならがんばった分だけ収入があがることも多々ありますし、特に定年がないため、仕事さえあれば何歳まででも働くことができます。自分の好きなことを仕事にでき、好きな時間に取り組むことができるのもメリット。人間関係のストレスも、会社勤めに比べると格段に低いのではないでしょうか。
フリーランスのデメリットである「お金の不安な面」を上手にカバーするために、貯蓄を中心にしっかり備えていきたいですね。
次回は、収入の山谷が激しいフリーランスの貯蓄術について、3ステップで紹介します!
【参考】
※ ~フリーランスの働き方とお金に関する調査~ - ライフネット生命