ある意味、衝撃映像
先日、めでたく復帰を果たした林家木久扇師匠ですが、お休みしていた時期には師匠欠席にもかかわらず、その席を詰めることなく、数枚重ねられた座布団が無人のまま置かれていました。それ自体は出演者、スタッフ、視聴者らの「木久ちゃん早く戻ってきて!」という思いであり、批判する筋合いのことではありません。しかし、その時の大喜利を見ていて、不思議な光景が何度も登場することに気づきました。途中で出演者が何人かまとめてフレームに収まる事があります。、スリーショットと呼ばれる構図です。ところが小遊三、好楽の両師匠かツーショットで抜かれる時は、決まって右隣の空席座布団もフレームに収まっていました。
言葉で説明すると伝わりづらいかもしれませんが、かなり奇妙な映像でした。なぜそこまでして林家木久扇不在を強調する必要があるのかと疑問に思いましたが、最近になってその理由が思い当たりました。以前からのカメラワークを変えたくなかったんですね。何があっても昔のやり方を変えない頑固さは、こと「笑点」に限っては大いにうなづけるものです。
変わらない味を大切に
何人かの知人から聞いた話ですが、最近「笑点」にハマる子どもが増えているとか。初めて聞いた時には、特殊な事例じゃないかと思いましたが、どうやらそういった流れがあるようです。考えてみれば、子どもたちはお気に入りの番組を録画して、何度も見返すのが大好き。少し前に「8時だョ!全員集合」のDVDが子どもに受けているというニュースがありましたが、あの番組も「変わらない笑い」を大事にしている点では共通しています。これまで高齢者向けの笑いと思われてきた「笑点」ですが、どうやら老舗の味に子どもたちも夢中のようです。これからも幅広い視聴者層に向けて、「変わらなさ」に磨きをかけた番組をお願いしたいものです。