展覧会という国際交流
話し合うスイス人と日本人アーティストたち
スイス人アーティストAxel Töpferさん日本人アーティストの小林俊哉さんと 山際満博さんが話をしていました。
「どうだい、僕の作品」
「どうやってつくったの?」「どこに置く?」
いろんな話が飛び交っていますね。
制作に励むスイス人アーティスト
「日本らしさを取り入れたいんだ」
動かす筆、選ぶ色も、いつもと違う感じだそう。
そして展覧会が開かれます。作品を見ながらスイス人と日本人が話しています。
「これは何ですか?僕にはこう見えるんだけど」
「どうしてこういう作品をつくるのですか?」
「君の意見も面白いね」といった会話が飛び交います。
作品を見ながら話が盛り上がるスイス人アーティストのDavid Berwegerさんと日本人アーティストの山際満博さん
このように、日本とスイスがお互い刺激を感じながら創作や発表することこそ「アートで国際交流」最大の目的なのです。
一方で見えてきた課題
今回紹介したプロジェクト「songs for a pigeon」は、日本・スイス国交樹立150周年記念年であるからこそ開かれました。つまり、来年もまたするか? というと「おそらくしない」でしょう。なぜなら「お金」という大きな問題があるからです。スイスには展覧会が終わった後でも、アーティストに飛行機代などを市や企業が支援するシステムがあるそうです。一方、文化支援が乏しい現在の日本では、海外のアーティストを招へいすることも、展覧会を開くための費用のサポートも、ほとんどありません。
そこで今回ご紹介したプロジェクト「songs for a pigeon」では、資金を集めるために、個人協賛者を募集しました。支援のお礼には、TOKYO CULTUART by BEAMSが製作したオリジナルポロシャツを贈り、単なる金銭サポートではない関係をつくっています。
日本での多くの展覧会で見ることができる「かわいい」「きれい」というのは、どちらかというと表層的なもの。スイスに限らず、多くの海外アーティストたちは、社会を変えるような表現を試み、何か心に突き刺さるようなアート作品を見せています。アートで国際交流することで、本当に私たちが感じたり、考えなくてはいけないことに気付かせてくれることでしょう。
アートに限らず国際交流は継続するからこそ意味があるものです。多くの日本人が日本国内にばかり目を向けている今、少しずつ国外や海外にも目を向けてみませんか。