メディア別に担当者が配置されればよいのですが、リソースがない企業では、全アカウントで統一の内容を投稿するといった運用になっているところも少なくありません。
今回は、改めて各ソーシャルメディアの立ち位置を整理し、中小企業にとってどんな使い所があるのかを改めて考え、運用を見直してみましょう。
情報発信から見るソーシャルメディア
各ソーシャルメディアの特性を整理するために、発信した情報が蓄積されていくストック型なのか、流れていくフロー型なのか、そして発信内容として売上に直結する内容がよいのか、ブランディングがよいのかという二つの軸で考えてみました。
情報の流れと利用目的から整理
まず、ブログは情報がどんどん蓄積されて、後々も検索やリンクシェアで流入を獲得できるストック型のツールです。ビジネスとして、ブログに取り組む場合、プロフェッショナルな立場からの読み応えのある知識を発信しやすいので、ブランディングに向いているといえるでしょう。
メルマガも蓄積されますが、どちらかというと、セール情報などメルマガを開封したユーザーの購買意欲を刺激するような内容を配信するのに向いています。
Facebookの投稿は、一定期間が過ぎるとなかなかニュースフィードに表示されず、過去の投稿をさかのぼってみるのにもあまり適していないことから、フロー型の情報発信といえます。Facebookでは、売り込みのような投稿は特に嫌われる傾向が強く、読者に役立つ情報の共有や旬な話題の提供、あるいはなかなか宣伝できない企業のCSR活動などをお知らせするのに向いています。
TwitterとLINE@もフロー型で過去の投稿を見るというよりも、リアルタイムで流れている情報をキャッチするメディアです。どちらも、売り込み的な内容でも受け入れられやすく、オススメ商品を紹介したり、タイムセールを知らせたりといった活用に向いています。
LINE@のトークは、ユーザーの端末にお知らせが届くプッシュ配信ということもあり、来店、問い合わせなどより具体的なアクションにつなげやすい傾向があります。その反面、Facebookでは受け容れられるブランディング要素の強い情報を文章で長々と伝えると、ブロックされやすいという傾向もあります。
運用から見るソーシャルメディア
次に、リーチと理想的な投稿頻度という点から3つのソーシャルメディアを比較してみましょう。それぞれ、1万人のフォロワーがいると考えてみてください。
リーチと投稿頻度から整理
Twitterの場合は、1万人フォロワーがいたとしても、ツイートしたタイミングでタイムラインを見ている人にしか情報が届きません。タイムラインをさかのぼってすべてのツイートをチェックするという人はほとんどいないので、時間帯にもよりますが、ツイートをみてくれている人はフォロワーの10%もいないでしょう。ただし、Twitterはリツイートで化けることがあります。たくさんのリツイートを獲得すればフォロワーの数を超えてツイートを見てもらえる可能性もあることを覚えておきましょう。
Facebookは、最近リーチが下がっているといわれています。リーチ率は、平均16%というデータもありますが、エンゲージメントの高いページであれば、もっとリーチが高まります。
LINE@は、プッシュ通知なので、友だち登録している人の端末には必ず届いているといえます。もちろん開封されない可能性もありますが、それでも他の二つに比べるとリーチは格段に高くなります。
理想的な投稿の頻度は、このリーチとも深く関係してきます。Twitterであれば1日に何度もツイートしてもユーザーのストレスにはなりません。例えば、タイムセールが始まる前にカウントダウンツイートするなど、一度に連投してもそれほど嫌がられません。
Facebookはアルゴリズムで制限されるため、連投し過ぎるとエンゲージメントの高いもののみ表示されやすくなることもあるようです。普通の企業の運用であれば、Facebookは週3~5回くらいの投稿で十分です。
LINE@はユーザーの端末に直接届くこともあり、配信回数をもっとも考慮するべきツールです。週に1~2回の運用で十分で、あまり多すぎると通知をオフにされたり、ブロックされてしまいます。
それぞれの使い所を考えて使い分けよう
上記のように特性を考慮すると、配信内容、配信頻度もそれぞれのソーシャルメディアによって異なってきます。
Facebookは、1:多のオープンなコミュニケーションの場として活用できますが、Twitterは同様の性質を持ちながらも、@返信で個人との対話にも活用しがいがあります。また、Twitterはユーザーが今何を話題にしているかということがわかるのも特徴です。その話題にのっかったり、さらに自分でネタを作って話題にしてもらったりということがしやすいメディアです。
LINE@のトークは、基本的に1方向の配信です。それを補うために、お店トーク(お客さんからの問い合わせや予約をプライベートで受けられる機能)、タイムライン(Facebookページのような機能)も用意されていますが、向いているのは、友だち登録してくれた人を特別扱いするようなクーポン、限定情報配信などです。
それぞれの特性を考えながら運用してみましょう。