「パートナーの不倫」―被害者でいるだけでいいの?
「自分は被害者」という思い込みには、落とし穴が……
前回、パートナーの浮気が発覚した際の妻の「NGリアクション」として、「夫を責め続ける」と言うのを紹介しました。いつまでも自分が浮気をされたという事実にとどまり、夫を責めるばかりで前向きな姿勢になれないと、夫も後ろ向きにしてしまい、夫婦仲の再構築が難しいことをご理解いただけたかと思います。今回は同じ「浮気をされたという事実に留まってしまう」という意識が、自分自身に向かっていった場合のリアクションについてお話しましょう。
「自分が被害者モードになる」のはNG
確かに浮気をされた妻は、被害者です。しかし、100%被害者モードにはまってしまうことも、夫婦仲復活の妨げになるNGリアクションです。被害者モードになることのデメリットは大きく分けて3つあると考えられますので、順番にご紹介していきましょう。
「被害者モード」のデメリット1つ目は、「冷静に反省ができず、浮気に至った原因を明らかにしようとしない」ということです。「浮気した側ならともかく、浮気された側がなぜ反省しないといけないの?」
「私は家事も育児も仕事もがんばってきたのに」
と、とにかく自分をこれ以上傷つかないように守りたいという防御本能が働くと、事実を冷静に分析することができません。しかし、浮気には必ず何らかの原因があるはずです。そしてその原因は決して旦那様だけにあるわけではなく、妻側にあることも少なくないのです。
例えば「家事も育児も仕事もがんばってきた」妻が、忙しさにまぎれて、ついつい旦那様への思いやりを欠く言動になってしまい、その不満が浮気の原因であったような場合。そんなときに「だって私は忙しかったから」という視点から事実を眺めている限り、「そうか、私の態度が原因だったのか」と言う気付きが得られません。気付かない以上、「妻の思いやりのない態度」という浮気の原因を取り除くことができません。従って、浮気の根本的な解決はできず、仮に今回の浮気をもみ消したとしても、次の浮気が発生する可能性を残したままになってしまいます。
被害者モードのデメリットの2つ目は「自分を責めたり、自信をなくしてしまう」ことです。
「私は家の片付けが苦手だから、夫が居心地良く感じる家庭が作れなかったんだ」
「私が美人じゃないから愛されないんだ」
「私はもう女としては見られていない。単なる家政婦なんだ」
と自分を責めたり卑下したりしてしまうことで、どんどん気持ちが後ろ向きになってしまいます。そうなると「私と別れてあの女性と一緒になった方が夫は幸せなのでは?」などと、問題解決とは逆の方向にむかってしまい、夫婦仲の再生に取り組む意欲がわいてきません。
被害者モードのデメリット3つ目は「自分を不幸な状態に置いて、それに酔ってしまう」ことです。浮気をした旦那様への怒りの感情、恨みに思う感情があるあまり、「私は彼のせいで不幸になった」と考えます。そして相手を責めることができないような気持ちの優しい方は、逆に自分を不幸な状態に置くことで、彼への無言の抗議を行ってしまうのです。
周囲からすれば不幸に酔っているだけで、なぜその不幸から抜け出そうとしないのかが疑問に思えるのですが、本人にとっては自分が不幸から抜け出せば彼の罪悪感が薄れてしまい、自分が損をしているように感じてしまう傾向があるようです。
このように被害者モードのもたらすマイナス効果はさまざまです。浮気をされ、傷ついた自分を被害者モードで守ろうとするのではなく、事実を冷静に見つめること。これが問題解決への第一歩であることを忘れないでくださいね。
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