現在、西新宿の東京オペラシティ アートギャラリーで、日本の美術館では初の大規模な個展となる建築展[ザハ・ハディド]が開催中です。

2020年東京オリンピックのメイン会場となる〈新国立競技場〉国際デザイン・コンクールで勝利し、景観や費用などの問題を巡ってさまざまな議論を呼び、多くのメディアにも採り上げられてきました。

初めてザハの名を目にした方から初期よりご存知の方まで、鑑賞者それぞれの視点でザハの建築を体験し、その思想に触れる機会となる本展をこの機会にぜひご覧下さい。
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ザハ・ハディド Zaha Hadid
会期:2014年10月18日(土)-12月23日(火・祝)
開館:11:00-19:00 (金・土は20:00まで/最終入場は閉館の30分前まで)
休館:月曜 ただし12月22日(月)は開館 
入場料:一般1,200円(1,000円)/大・高生1,000円(800円)/中学生以下無料
( )内は15名以上の団体料金。その他、閉館の1時間前より半額、65歳以上半額。
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
東京都新宿区西新宿3-20-2 TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル) URL:www.operacity.jp/ag/exh169
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photo: Brigitte Lacombe © Zaha Hadid Architects

ザハ・ハディド(Zaha Hadhid)
1950年バグダッド生まれ、ロンドン在住の世界的建築家。
1972年に渡英し英国建築家協会付属建築学校(AAスクール)に入学。卒業後は当時講師であったレム・コールハースの主宰するOffice for Metropolitan Architecture(OMA)に参加。
1980年に自身の事務所を設立。1983年の〈ザ・ピーク〉の国際コンペティション勝利で、その名が一躍世界に知られる。しかし前衛的な設計が当時の施工技術や建築思考に収まらず、長らく「アンビルトの女王」(アンビルト=建設されない)の異名を与えられていた。
10年後の〈ヴィトラ社消防所〉が初めての実現プロジェクトとなってからは大規模なコンペティションで次々に勝利を重ね、今や世界各地で竣工している。そして2020年東京オリンピックの会場となる〈新国立競技場〉国際デザイン・コンクール最優秀賞選出により、日本でも実作の建設が決定した。

日本との関わりから始まる

始めの展示室では、札幌のレストラン〈ムーンスーン〉の内装を含む3つの日本のプロジェクトと、「アンビルトの女王」と呼ばれた時代にあって精力的に描かれたペインティングやドローイング、都市や空間の可能性を探った模型など、初期の仕事を展示しています。

また、前衛的すぎると言われ続けたザハの設計が初めて現実のものとなった、1993年の〈ヴィトラ社消防所〉を始め、その後のコンピュータによる三次元解析、施工技術の進歩や、建築の新しい姿を求める人々によって世界各国で次々に竣工した作品や、現在世界中で進行中のプロジェクトのコンセプトモデルなどが数多く展示されています。
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1. 2. 札幌の〈ムーンスーン・レストラン〉のソファーは本展のために再製作された。

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3. 東京渋谷区の〈富ヶ谷のビル〉の模型。

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4. 東京港区の〈麻布十番のビル〉の模型。

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5. スイスの家具メーカーの施設〈ヴィトラ社消防所〉の模型。

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6. 川の流れのような外形のローマの美術館〈MAXXI 国立21世紀美術館〉の模型。

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7. オーストリア・インスブルックの〈ベルクイーゼル・スキー・ジャンプ台〉の模型。

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8. 中国・北京の〈北京商業中心区コア・エリア〉のスタディ模型。


巨大プロジェクションが映し出すザハの世界

続く2つめの展示室の大壁面には〈ヴィトラ社消防所〉をはじめ、〈ベルクイーゼル・スキー・ジャンプ台〉、〈ロンドン・アクアティクス・センター〉、〈ヘイダル・アリエフ・センター〉などの代表作の映像が写し出され、スタディ模型などから、ザハの独特の思考と感覚を体験できます。

また指輪やブレスレットなどの装飾品から食器、家具、照明器具、靴など、流動性に焦点を当てた多彩なプロダクトも展示され、スケールを自在に行き来するザハのデザインの魅力を知ることができます。
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1. 約30分間に渡って幅28mの大壁面に映し出されるザハの建築作品。

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2. 天井から吊るされた〈フィールド・オブ・シェルズ〉のスタディ模型。

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3. 会場の天井を照らす〈アリア&アヴィア・ランプ〉と、シルエットが美しいアクリル製のテーブル〈リキッド・グレイシャル・テーブル〉

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4. 左は〈マーキュリック・テーブル〉、右は〈ゼファー・ソファ〉

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5. 流動的なデザインの〈ノヴァ・シューズ〉


〈新国立競技場〉でザハが目指すものとは

2020年東京オリンピックの会場となる〈新国立競技場〉国際デザイン・コンクールでザハ案が採択されてからは、景観との関わりや膨大な建築費などの問題を巡って、さまざまな形で議論が起こりメディアでも話題になりました。

3つめの展示室では、〈新国立競技場〉のコンクール応募から最新の計画までを、大小の詳細なパネルと模型で展示しています。
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1. 長さ28mのCGによる〈新国立競技場〉の壁面展示。

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2.〈新国立競技場〉の内部の様子を描いた大型CG。

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3. 本展のために製作された〈新国立競技場〉の1/50の最新模型。


ザハの原点〈ザ・ピーク〉で締めくくる

展示の最後はザハの名が一躍世界に知られることになった1983年の国際コンペティション〈ザ・ピーク〉の展示です。ザハの原点とも言える〈ザ・ピーク〉のアーティスティックなドローイングの数々と、敷地模型や黒いコンセプト模型が最後を締めくくっています。
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1.〈ザ・ピーク〉の敷地模型と大型のドローイング。

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2. 天井近くに設置された〈ザ・ピーク〉のコンセプト模型とドローイングの展示。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。