酉の市(とりのいち)
毎年11月の酉の日になると、関東ローカルのテレビニュースや新聞などでも必ず紹介される、商売繁盛を願って熊手を買い求めるひとたちで大にぎわいの光景。酉の市は、この時期の関東での風物詩になっています。
酉の市は江戸時代、江戸近郊に位置する花又村(現在の東京都足立区花畑)にある大鷲神社に、農民たちが豊作に感謝して「鶏」を奉納したことから始まったとされる行事です。
酉の市は酉の市で有名な神社仏閣は、酉の市発祥の地である大鷲神社のほか、
鷲神社(台東区)
花園神社(新宿区)
大國魂神社(東京都府中市)
であり、この3つの神社は特に賑わいます。
11月の酉の日に開催なので、毎年日程は変わり、2回ないし3回行われます。最初の酉の日が「一の酉」で、以降、二の酉・三の酉と呼ばれます。ちなみに「三の酉」がある年は火災が多い年とされ、火災よけのお守りも出ます。
神社・寺院によっても異なりますが、最もにぎわう浅草「長国寺・鷲神社」での酉の市の大まかなスケジュールは、このようになっています。
0時 鷲妙見大菩薩ご開帳・酉の市開始
24時 閉帳・酉の市終了
約24時間にわたって境内札場および露店で、熊手やお守りなどが売られます。この間なら朝でも昼でもいつ行ってもいいのですが、ご開帳の瞬間を楽しみたいなら、前日の23時頃には本堂に到着するように行きましょう。0時ちょうどのご開帳を見て、お参りをすませたあとは、縁起物の熊手を買いに行きましょう。普通に言い値で買ってもいいのですが、酉の市独特の「粋な買い方」があります。それは、
値段を聞く
→まず値切る
→断られる(または、より小さい熊手を勧められる)
→もう一声(さらに値切る)
→商談成立
→値切った差額分を別途「ご祝儀」として渡す(結局は言い値で買ったことになる)
→手締めを行う
実際に自分が買う前に、周りの人のかっこいい値切り方を見て予習するといいでしょう。あるいは、買い慣れたお友達と一緒に行くのもおすすめです。さらに、熊手を買うとき、気をつけたいことが2つあります。
1つめは、境内の札場で売られている熊手やお守りは、露店の熊手売りとは違い、基本的に値切れません。神社の社務所でお守りやおみくじを値切らないのと同様です。
2つめは、いきなり大きく高い熊手を買わないこと。最初は小さい熊手から買い始めましょう。熊手は買い始めたら毎年少しずつ大きくしていくのが良いとされているからです。1000円くらいのインテリア小物的な熊手もあります。商売される方でしたら、最初は1万円くらいから始めるのが相場だとされています。まちがっても、前年よりも小さい熊手を買わなければならないのはつらいものです。
酉の市は、鷲神社・花園神社・大國魂神社以外でも、関東の30以上もの神社仏閣にて市が開かれています。以下で紹介する酉の市公式サイトのリンク集に、酉の市が開かれる神社の情報が載っています。お近くの神社へもぜひどうぞ。
●酉の市
開催期日:毎年11月酉の日
アクセス:東京メトロ入谷駅下車徒歩約8分(長国寺・鷲神社の場合)
電話:03-3876-1515 (鷲神社) 03-3872-1667(長國寺)
写真提供:(公社)東京観光財団
酉の市公式サイト: http://www.torinoichi.jp/