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東京国際映画祭受賞作を見てみよう!(4ページ目)

10月23日から31日まで開催している第27回東京国際映画祭。六本木ヒルズを中心に繰り広げられる映画の祭典は、来日はもちろん、イベントも盛りだくさんです。ところで東京国際映画祭って、どんな映画が受賞しているの?と思う人も多いでしょう。そこでこれまでの受賞作を紹介しつつ、その中から数作品をピックアップしてご紹介しましょう!

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

米独日の感動作でじんわり感動!


第5回・審査委員特別賞
『ボビー・フィッシャーを探して』(1993年度作品)

類まれなチェスの才能を持った少年(マックス・ポメランク)が父親やコーチに導かれてチェスの道を邁進していく姿を描く。ボビー・フィッシャーというのは実在した天才チェスプレイヤーで、父親とコーチは主人公を第二のボビーにしようとしていました。

少年の才能に大人たちが飛びつく一方、母親は普通の生活をさせたいと願う。純粋にチェスが好きで楽しいという少年と、その才能に熱狂する大人たちの想いはどう関係を結んでいくのかが興味深いです。チェスの名勝負の数々もエキサイティングでおもしろく、この映画見ると、ちょっとチェスをやってみたくなるかもしれません。

監督:スティーヴン・ザイリアン 出演:マックス・ポメランク、ジョー・マンテーニャ、ジョーン・アレン、ベン・キングズレー


第10回・東京グランプリ・東京都知事賞
『ビヨンド・サイレンス』(1997年度作品)

ろうあの父とクラリネットに魅せられた娘が長い年月を経て心を通わせる姿を描いた作品。

ろうあの両親を手話でサポートしていた優秀な娘(シルヴィー・テステュー)。彼女の気持ちが音楽へと傾き、娘の演奏を聴くことができず寂しいという父の気持ちはわかります。我が子が音楽の才能に溢れているのに、それを楽しめないなんて辛いですよね。が、しかし、音楽の道に進むことを決心した娘の気持ちを傷つけるのはいかがなものかと。 娘は親の所有物じゃない!とも思ったりして。頑固親父と音楽娘がどうやって和解するのか見物。親子関係を改めて考えるきっかけをくれる作品でもありますね。

監督:カロリーヌ・リンク 出演:シルヴィー・テステュー、ハウイー・シーゴ、エマニュエル・ラボリ、タチアナ・トゥリーブほか

第18回・東京サクラグランプリ・監督賞・男優賞・観客賞
『雪に願うこと』(2005年度作品)
都会で挫折して故郷(北海道)に帰って来た男(伊勢谷友介)が、兄(佐藤浩市)が経営する、ばんえい競馬の厩舎でお払い箱になりそうな馬、ウンリュウと出会い、人生を再生していく物語。

ドン底に落ちた男が、捨てられる寸前の馬に自分を重ねて、ともに新しいスタートを切ろうとばんえい競馬に挑戦するのですが、そこに生きる人々の強さに感服です。特に兄はずっとこの厳しい世界で生きてきたゆえに、都会でチャラチャラした末、負けて帰って来た弟と確執があるのは当然で、二人がその関係をどう変化させていくのかも興味深い。演出、脚本、すべてオーソドックスながらもクォリティが高く、さすがベテラン根岸監督!東京国際映画祭初の4冠達成も納得です。

監督:根岸吉太郎 出演:伊勢谷友介、佐藤浩市、小泉今日子、吹石一恵、香川照之ほか



以上、東京国際映画祭受賞作の中からピックアップしてお届けしました! 2014年・第27回の東京国際映画祭の作品からも歴史に残る傑作が生まれるかもしれません。紹介作品をDVDで見つつ、ぜひ映画祭へも足を運んでくださいね!
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