福祉サービスの知識等の総評
介護保険の居宅・施設サービスについての出題が多く出ていて、難易度が低くなった印象です。奇をてらった出題は無く、過去問をしっかりと解いていれば問題なく解けるものばかりです。ただし、現役のケアマネジャーならば理解しやすい問題でも、受験者にとってはなじみが薄い問題が散見されました。特に、今回の試験では居宅サービス事業者や介護保険施設の運営基準、人員基準がよく出題されています。介護保険法等を熟読する必要がありますが、あまりにも長文ですので、まずは共通している事項を探していきましょう。サービス計画や秘密保持、緊急時の対応等共通している基準を理解できればあとはサービス事業の特色を理解していきます。何度も反復して理解を深めておくとよいでしょう。
福祉サービスの知識等の解答予想
福祉サービス分野は過去問に準じた出題でしたが、事業者の運営基準や人員基準の問題があり、介護保険法を熟読する必要があります。各問題の考察
福祉サービスの知識等
面接場面におけるコミュニケーションについての問題です。例年どおりですので特に問題はありません。
■問47
相談援助者の職業倫理についての問題です。これも例年どおりです。
■問48
地域援助技術(コミュニティワーク)についての問題です。ケースワーク・グループワーク・コミュニティワークは交互に出題されている印象です。
■問49
介護支援専門員の対応についての問題です。一般的な理解で問題ありません。
■問50
訪問介護についての問題です。過去問と傾向は同じです。
■問51
訪問入浴介護についての問題です。訪問入浴はレア問題ですが、一般的な内容になっています。
■問52
通所介護についての問題です。療養通所介護について出題されているので、今回の試験のポイントにもなっています。
■問53
短期入所生活介護についての問題です。レアな問題ですが、内容は一般的なものです。
■問54
福祉用具についての問題です。貸与と販売の区別がついていれば特に問題はありません。
■問55
介護予防通所介護についての問題です。やはり、一般的な内容になっています。
■問56
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護についての問題です。施設形態が理解できていれば特に問題はありません。
■問57
介護老人福祉施設についての問題です。例年どおりの内容になっています。
■問58
生活保護についての問題です。来年施行される新法「生活困窮者自立支援制度」については触れていません。
■問59
日常生活自立支援事業についての問題です。例年どおりの内容になっています。
■問60
成年後見制度についての問題です。市民後見人の育成について触れています。その他は問題ありません。
試験全体の総評
今回の試験は試験制度改正前の最後の試験ですので、駆け込みで受験する人も多かったと思います。しかも、試験の難易度は全体的に見ても例年同様か、若干低下した印象ですので、合格基準点補正が加わり、合格に必要な正答率も変更となる可能性があります。保険医療サービス分野は解きにくい問題がありましたので、苦労された方も多いのではないでしょうか。若干、点数を取りにくい分野であったかもしれません。医療系の問題に関しては、医療系の法定資格所持者以外は点数を稼ぐことよりも、正答率7割を目指して万遍なく学習した方が良いと思います。
いろいろな出題がありましたが、生活困窮者自立支援制度のような新法の出題もなく、ほぼ過去問の出題傾向に沿った順当な試験であったことは間違いありません。過去問を読み解いて試験に挑んだ人が「裏切られた」と感じることはまずないでしょうから、ケアレスミスに注意していれば相応の成果が出せるものだと思っています。
○他の問題については以下のリンクからご確認ください。
第17回ケアマネジャー試験の解答予想 介護支援分野
第17回ケアマネジャー試験の解答予想 保健医療サービス分野
第17回ケアマネジャー試験の解答 福祉サービス分野 (本記事)
<<最新の試験関連記事はこちら!