リアルな絵を描く手法の裏側
まずは輪郭を描きます
まずキャンバスにカラフルな色を塗り、その上に網目模様を入れてから顔を描いて行く。つまり「顔の下に網目がある」という見せ方をするユニークな肖像画作品です。
といっても目に入る女性の顔は、きれいで美しい女性の顔。どうやったら上手に描けるのでしょうか?
描くとき陰影をはっきりすると「うまい絵」に見えるそうです
形をとらえることを手で覚えていくことで、顔の輪郭や目・鼻のバランスも把握できるようになります。陰影をはっきりさせたり、色を重ねていったり、細かく手を加えていくと、よりリアルな人の顔が表れます。
「でも私は、写実的に描こうとしてません。そんなことには興味がないのです」(藤部さん)。
アーティストの考え方「コンセプト」を知る
完成した作品 藤部恭代《ARABESQUE》 2014、oil,acrylic,canvas,530×530mm
「私の描く女性は、具体的な●●さんを描いているわけでも、かわいらしいキャラクターにするのでもありません。私の理想像を追いながら、ヘアスタイルやメイク、表情など、時代に応じた女性を描こうとしています」(藤部さん)。
つまり藤部さんのコンセプトは「いまの時代の女性」。そうやって作品を見ると、「上手い絵」という言い方は表面的に感じられて、描かれた女性の内面をのぞき込みたくなります。