沢田研二2014年コンサートツアー『三年想いよ』

2014年7月から11月にかけておこなわれている沢田研二コンサートツアー『三年想いよ』。
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僕は9月13日、神戸国際会館で開催された回に参加した。

神戸国際会館は座席数2000を超える、比較的大きなホールだが三階席の最後列まで超満員。ファン同士のなじみも多いようで、あちこちに手を振り名前を呼び合う光景があるにぎやかな様子だった。

僕が沢田研二のコンサートに通い始めたのは1999年の『いい風よふけ』ツアーから。
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あの頃の沢田は50歳を少し回ったくらい。今よりはまだ痩せていて(全盛期とは比べようもないが)写りや角度によっては十分に麗しい時期だったが、コンサートの動員は素人目にもふるっておらず、二階席以上はガラガラということもままあった。

それが、だ。

推定10キロ以上太り、長いヒゲをはやして見た目にはけっして麗しくなくなってしまった現在のほうがどこに行っても大入り満員。はるかに大勢のファンをコンサートに動員できているのだ。

"今"を生きるアーティストとして

これは単に"ファンが子育てを終え経済的に時間的に余裕ができて……"というお決まりの理由だけではない。

沢田は90年代以降、以前ほどの脚光を浴びることがなくなった時期でも「懐メロ歌手にはなりたくない」という強い意思を持ち、他の同年代の歌手のように過去の自分に依存して生き残ることをこの上なく嫌った。

テレビでヒット曲を歌うこと、過去の映像を放送することさえ拒否し、コンサートは毎年リリースするニュー・アルバム中心の構成で、ディナーショーはしない。"今"を生きるアーティストであることを心がけてきた。

一見不器用に思えたこの姿勢が他の歌手にない独特のストイックな魅力をかもし出し、そして世間が最近になってようやくそれに気付きはじめたのだ。

「あぁ、ジュリーは走り続けてきたのだ」と。