楽章間の拍手も気をつけて

これが最大のがっかりなのが、間違ったタイミングでの拍手。素晴らしい演奏に対して拍手したくなる気持ちは分かるのですが、なんと、してはいけないタイミングというのがあるのです。

たとえば、交響曲は大抵「起承転結」のような、4つの楽章(曲)により構成され、一つの大きな曲(セット)となっています。ですので、起と承と転と結の間に曲の切れ目があるわけですが、それはまだ一つの曲の途中なので拍手はしないルールになっています。また、終楽章まで来て終わった、と思っても曲はまだ続くという曲もあります。ですので、ポイントは、終わったと思ってすぐに拍手するのではなく、他の皆が拍手を始めてからすれば、間違いありません。そうすれば、余韻も味わえるはずです。

また、オペラでは幕が終わったところで拍手となり、またアリア(独唱)の後でも拍手が起こります。ですが、ワーグナーのオペラではアリアの後での拍手はありません(更に『パルジファル』では、1幕の後で拍手をしないという習慣もあります)。他の人の拍手に合わせるのが一番です。

写真撮影・録音録画・飲食はもちろんNG

コンサートホールは、演奏家の有無に限らず、撮影が禁止されている場合がほとんどです。録音録画はもちろんNG。客席内での飲食も厳禁です。

勝手な途中入場はやめましょう

電車が遅れてしまった……など、已む無く開演時間に遅れてしまうこともあるでしょう。ですが、かと言って演奏途中に会場に入るのは厳禁。

1曲目が終わった後に入れる、1楽章が終わった後に入れる、2曲終わった後に入れる、席まで行ける、入り口付近で待機など、公演毎に演奏家との間で遅刻者の入れるタイミングが打ち合わせされていますので、必ず会場の係の人の指示に従い、素早く静かに行動しましょう。

荷物はクロークへ

会場内にはほとんどの場合、クローク(荷物預け場)があると思います。大きな荷物や冬のコートなどは預けましょう。コートは皆が会場に持ち込むと音を吸い、残響も短くなってしまうかもしれません。預けた方が楽に楽しく鑑賞できますよ。

更に気を付けるなら

鼻息:休憩中に、お客さんが「後ろの客の鼻息がうるさくて最悪」と怒っているのを聞いたことがあります……。きっとその鼻息の主は、音楽にのめり込んで無意識的に音を出してしまっていたのかと思うのですが、気をつけたいですね。

絹ずれ:これは個人的にとても気になった音で、着物を着ていらした上品な女性なのですが、少し体を動かす度に「サラサラ」と音が……。全く悪意はないでしょうが、私は音楽に集中できませんでした……。また、足を動かす人がいらして、靴の「キュッキュッ」という音が響き、悲しかった公演もありました。

腕時計:隣から「チッチッチッ」という音が。その方は手を膝においたり頬杖ついたりしていたのですが、頬杖をつくときに音が大きくなることが分かり「あ、時計か」と。普段気にならないような音でも、皆が耳をそばだてるコンサートでは聴こえてしまうものです。


と細かいことまで書きましたが、何だか「厳禁!」とばかり書き窮屈な印象を与えそうですね……。実際にはそんなことはなく、じっと音楽を聴けばとてもリラックスできたり、感動できるものです。そのためにぜひこれらのマナーを思い出し、最高の状態でコンサートを楽しんでもらえればと思います!


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