不安に打ち勝つには、貯めると同時に収入を上げる

お金持ちになれない習慣には要注意

お金持ちになれない習慣には要注意

お金に困らない人になる習慣とは何でしょうか?漠然と老後の不安を抱える人が多い今、将来の心配を減らす習慣について習慣化コンサルタントの古川武士さんにおうかがいします。(第2回目インタビューから続きます)

――前回、将来不安から貯金に走り、自分に投資をしないままでいると“ジリ貧スパイラル”に陥ってしまうという話を伺いました。特に若い世代ほど、そういう意識を持つべきなのでしょうが、不安を拭いきれないという現実があります。


古川武士さん 
不況の時代に生まれ育ったということもあり、若い世代はお金に関しては非常にシビアで不安が強いですよね。恐怖マインドに支配されてしまっている。

先日、ある商社に勤める新入社員に「お金を100万円貯めたいけれどどうすればいいですか?」と質問を受けたので、「貯めることも大事だけれど、今は自分に投資することを先に考えては?」とアドバイスしたんです。彼が勤めるのは、平均年収1000万円を超える一流企業。

年齢を考えても、この先貯められる機会はいくらでもある。だからこそ、今、他のことを犠牲にしてお金を貯めるよりも、自分を高めてこの先もっと収入を増やすことを考えたほうがいいとアドバイスしたのですが、なかなか伝わらなかったようです。今の若い世代は、時代のせいか、縮小気味の傾向があって残念に思います。本を読まない人も増えている。

――頑張れば右上がりに収入が増えた時代とは違いますし、そういう現実に触れたことがない。イメージがしづらいのでしょう。

古川 “世の中はこういうものだ”という意識が非常に強いですね。そういった思い込みを心理学用語で「ビリーフ」というのですが、それは子供の頃に作られてしまうものなんです。だから、子ども時代にバブルを経験している人たちは“何とかなる”という意識が強い。今、50歳前後のバブル世代と呼ばれる人たちが、まさしくそうですよね。

その意識を変えるのは難しいのですが、貯めることと同時に自己投資をして収入を増やすことを考えないと、お金の不安は消えません。逆に言えば、実力を付けて収入を増やせば、将来のお金不安は薄れます。

――そのためには、どんなことをするべきでしょう?

古川 
今は、昔と比べて働き方が柔軟なので、自分のスキルを磨いて付加価値を上げておけば、会社に頼らない生き方をすることも可能です。例えば、自分のノウハウを元にネットを使って副業をすることもできるし、そこから独立の道を探ることだってできます。

定年後に、経験を生かしてちょっとしたコンサルをするなど、年金以外の収入を得る手もある。後ろ盾がなくなると無力という状態ではなく、いざとなれば違う方法で食べていけるという自分を作っておくことが自信につながります。“ここにいるしかない”ではなく、チョイスは他にもあるけれど、今、自分がこの道を選んでここにいる。自分の人生に対してそういう意識が持てれば、人生は成功習慣に向かい始めます。

――漠然とした不安から解消されるということですね。

古川 
そうですね。要はスキルをあげて独力で生きていける市場価値の人間になることです。恐怖を手放すことができる。不安や恐怖を解消するためにお金を貯めるというサイクルを手放したほうが、結果的に良いサイクルを招きます。自立してどこに行ってもやっていける力を付ける。当たり前のようですが、それがお金持ちになる一番の方法であり、王道です。そういうマインドを持ってレジュームチェンジをすることが大切です。

★古川さんのインタビューは次回に続きます

教えてくれたのは……
古川武士さん

古川武士さん

古川武士さん

習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー。1977年、大阪府生まれ。関西大学卒業後、日立製作所などを経て習慣化コンサルティング株式会社を設立。多くの教育育成を通じて「人が本当に変わっていくためには「習慣化」が重要と考え、オリジナルの習慣化理論とメソッドを開発。習慣化をテーマにコンサルティング、企業研修を行い、これまで2万人以上の育成に携わってきた。著書に「続ける習慣」(現在4万部突破、韓国・台湾・中国で翻訳)「やめる習慣」「すぐやる習慣」など計8冊で15万部を超えている。メディア掲載実績として、朝日新聞、日経ビジネス、日経ウーマン、OZPLUS、プレジデント、プレジデントファミリー、「企業と人材」等がある。

取材・文/西尾英子
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