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BMW X4ならではの魅力と走りはどうか?(3ページ目)

BMW X3にクーペの要素を採り入れたX4が日本デビューを果たした。BMWが「SAC」と呼ぶX6に続くモデルで、スタイリッシュなフォルムとスポーティな走り、そしてSUVならではの実用性も兼ね備えるという欲張りな1台だ。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

「Mスポーツ」仕様はハードな乗り心地

BMW X4

全高が低くなった分、着座位置は前後シートともに20mm下げられているが、セダンやワゴンなどよりも当然見晴らしはいい。しかし、後方視界は小さめで、リヤビューカメラのアシストがないと狭い場所での取り回しは不安になるかも

試乗したのは、3.0Lの直列6気筒ターボエンジン搭載車で、専用エアロダイナミクスパッケージのエアロパーツやスポーツサスペンション、専用19インチアルミホイールなどを装着した最上級の「xDrive 35i Mスポーツ」。

そこに、以前よりも良くなっているとはいえ、通常のタイヤよりもサイドウォールの剛性が高いランフラットタイヤとなると、ゴツゴツしたフィーリングになるのは容易に想像できる。

BMW X4

足元空間は十分だが、全高が50mm下がった分、着座位置が20mm下がっても頭上空間は狭くなっているわけだから、当然ながら頭上空間は限られている。身長171cmの筆者で頭上に10cmくらいの余裕は同クラスのミドルサイズ、アッパーミドルサイズのセダン並は確保されている印象

装備からしてハードな乗り心地が想像できるが、予想どおり硬めの乗り味で、路面や速度域を問わずかなり引き締まった乗り味だ。

その硬派な走りは、SUV(SAV)よりもスポーツクーペの味が濃いと考えれば納得はいくが、子どもがいるファミリー層はX3を選ぶか、X4を指名するなら「Mスポーツ」ではない通常グレードを選択した方がいいかもしれない。

逆にハンドリングは、その巨体から想像するよりもずっと俊敏だ。もちろん、ライトウェイトスポーツカーのようにひらひら舞うわけではないが、巨体と大きめの重量をものともせずに、大小さまざまなコーナーを軽々とクリアしていく。

切れば切るだけ曲がり、踏めば踏むほど加速する

BMW X4

「40:20:40」の分割可倒式を採用する後席を倒せば、地上からのフロア高は高めだが、大きめの荷物も積載できるし、長尺物の積載も容易だ


しかも、先述したバリアブル・スポーツ・ステアリングやパフォーマンス・コントロールの恩恵もあるはずだが、ステアリングを切れば切るだけ曲がっていく感じだし、ややフロントノーズは重めであるものの、直列6気筒エンジンとスポーツATとの組み合わせは、パワーフィールも変速フィールも超一級品。これだけで遠くまで走っていきたくなる。

こうなると、通常のセダンやクーペよりも、わざわざ背の高いX4でこんなハンドリングやパワートレーンを味わなくてもいいかな、とも思えてしまう。燃費面でも大きなSUVは不利なのは明白。

しかし、SUV(SAV)譲りの積載性や居住性など、実用面でのメリットも享受できるとなると心動かされる人もいるはずだし、さらにはセダン系を見下ろす車高の高さや全天候型の4WDなど、X4に与えられたSUV(SAV)の恩恵まで付いてくる、となるとX4の価値は確かにあるし、BMWの狙いには唸らされる。
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