貯蓄400万円でムリのない住宅ローンとは?

貯金が少なめ、家の買い時は?
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■相談者
ひろこさん(仮名・主婦・会社員/27歳)鹿児島県
■家族構成
夫(会社員/27歳)、長男(1歳)
■相談内容
住宅購入を考えています。なるべく早く購入したいのですが、 1年後でも貯蓄は 400万円ほど。住宅ローンはどのくらい組めるのか、どの時期に購入するのがいいのか、アドバイスをお願いします。希望は市内の新築一戸建て、物件価格は2500万円ほど。また、子どもをもう1人希望しているので、教育資金も心配です。
■家計の収支データ
■家計収支データ補足
加入している保険の内訳
・夫/定期付き終身保険(死亡保障/終身300万円、定期1200万円、医療特約入院1万円)=保険料1万2732円
・妻/定期付き終身保険(死亡保障/終身100万円、定期900万円、医療特約入院5000円)=保険料5804円
・妻/医療保険(入院3000円)=保険料1226円
・妻/がん保険(入院5000円)=保険料1033円
・長男/学資保険(18歳払い済み、学資金は18歳から5年間、年20万円ずつで計100万円)=保険料4066円
・夫/個人年金保険(60歳~5年確定/年額46万3142円)=保険料5000円
・妻/個人年金保険(60歳~5年確定/年額50万8488円)=保険料5000円
(※)すべて保険料は年払いを利用。毎月保険料分を家計から分けている
■FP八ツ井慶子からの3つのアドバイス
・本当に欲しい家と出合ったときが「買いどき」
・希望する物件の購入は、妻が正社員で働き続けることが条件
・教育資金は児童手当の積立をベースにする
住宅資金を増やしても無駄な努力になる?
住宅の望ましい購入時期ですが、資金的な観点では、実は判断がとても難しいのです。早めに購入するのであれば、住宅資金を準備する期間が短縮されるわけですから、当然、住宅ローンの借入額が大きくなります。一方、購入時期を先に延ばせば、その分、住宅ローンの返済リスクは抑えられますが、現在の低金利が続くかどうかわかりません。不動産市況も同様で、住宅価格自体の変動、加えて金利の変動によっては、住宅資金の増加分による恩恵もなくなってしまう可能性もあるわけです。
したがって、本当に欲しいと思える物件に出合ったときを「買いどき」と考えてはどうでしょう。それは、来年かもしれませんし、3年後、5年後かもしれません。ともあれ、そのときが来るまで、できるだけ自己資金を増やしておくことです。
逆に避けたいのは、焦らないこと。ご相談者のひろこさんは、早めの購入を希望されているようですが、その理由が「今は金利が安いから」「今後、住宅の価格が上がるから」だとしたら、その予想が外れたとき「本当に買ってよかったのか」と後悔しないでしょうか。それよりもしっかりと物件を見極めましょう。
場合によって物件価格を下げる必要も
住宅は人生の中でもっとも大きな買い物ですから、資金プランがとても重要になってきます。理想の住宅に出合っても、無理な住宅ローンを組むことになるなら、購入すべきではありません。具体的に考えてみましょう。希望する住宅は新築一戸建てで予算としては2500万円とのこと。年間貯蓄が140万円前後ですから、手元に備えとして残しておくべき貯蓄分や購入時の諸費用(※)を考慮すれば、1年後に用意できる頭金は300万円、 3年後なら600万円となります。仮に、全期間固定で金利 2.0%、30年返済とした場合、2000万円の住宅ローンを組むとすると、月々の返済は7万4000円ほど(ボーナス払いなし)。
現状の家計を考えれば、無理のない返済額だと言えます。しかし、これは第2子出産後も奥様が正社員で働き続ける、という条件付きです。逆に、ずっとフルタイムが難しいのであれば、希望する物件の価格は下げたほうが良さそうです。
家計を見直したら学資保険を増額したい
家計に関しては、さほど目立つような支出もなく、全体によく管理されている印象です。特に、共働きだと往々にして高くなりがちな食費が、よく抑えられていますね。いろいろ工夫されているのだと思います。しいて言えば、通信費はもっと下げられるかもしれません。スマホ・携帯の料金プランをこまめに見直すことをおススメします。割高な保険料は見直しができる
もうひとつ、保険料がやや割高。定期付き終身保険については、加入時期によっては終身保険のみを継続してもいいですが、たとえば解約をして、死亡保障を定期保険(収入保証保険)で、医療保険は単体の医療保険で、より割安な会社を選択して加入するということも検討されてはどうでしょう。児童手当てをコツコツ貯めれば15年で200万円超
最後に教育費について。制度が変わらない限り、児童手当をコツコツ貯めれば、15年間で1人200万円超。これに学資保険を加えれば300万円を越えますから、大学資金がある程度準備できます(表参照)。生命保険等の見直しができれば、浮いた保険料の一部を学費として積み立てをしてもいいですね。もちろん第2子も同様にして準備しましょう。また、高校まで公立であれば、生活費から教育費は捻出するという考えでいいと思います。(※)登記費用、税金、印紙代、引っ越し費用など。目安として、新築一戸建てで物件価格の3~7%。
教えてくれたのは……
八ツ井慶子さん

取材・文/清水京武
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