韓国仁川で開催のアジア大会において「空調操作」疑惑
国際大会!!
それは、バドミントン団体の男子準々決勝の第一試合での出来事。21点先取の3ゲーム制で行われる試合のなか、第1ゲームは日本代表の田児賢一選手が勝利しました。しかし、続く第2ゲーム、第3ゲームは韓国の選手がゲームポイントを連取し、田児選手は逆転負け喫しました。
この試合後、ひとつの疑惑が浮上しました。それは「1ゲーム目は“無風”だったのに、2ゲーム目、3ゲーム目は“風が吹いていた”」というもの。
風は空調の存在上、仕方がないものではありますが、今回話題になっているのは風向きについて。なにやら、第2ゲーム、第3ゲームともに日本選手側に向かい風が吹いていたというのです。
バドミントン競技における「向かい風」の影響
公園などでバドミントンをしたことがある人であれば、よくご存知かと思いますが、バドミントン競技で使用する球(シャトル)は非常に軽く、風の影響を大きく受けます。風の影響を受けるという前提の中でバドミントンを行う場合、「向かい風」というのは非常に不利な状況です。もちろん風の影響は「追い風」側にもあります。しかし「向かい風」側と「追い風」側とではコントロールの難易度で差が出てくるのです。
「向かい風」側からシャトルを打つということは、風に逆らってシャトルを飛ばすということ。
つまり風の影響分、普段よりもパワーが必要なのです。また風の影響があると、普段通りネット際ギリギリを狙って打ったシャトルが風に押し戻され相手側コートに届かない、などというようなことも有り得るのです。
反対に「追い風」側からの場合ですが、バドミントンはシャトルをコート外に打ってしまうとポイントを取られてしまいますので、力加減という意味では「追い風」であっても必要です。
しかしシャトルを風に乗せることにより飛ばしやすくなりますし、スマッシュなどの相手コートに叩きつけるショットはスピードが上がり強力になるメリットもあるのです。
バドミントンの試合が行われる館内環境
今回のアジア大会でおきた「空調疑惑」について、悪意があったのか、たまたまなのか、真偽のほどはわかりません。ただ、バドミントン競技において試合途中で不規則に風向きが変わる、ということは非常に大きな影響だということです。会場側もそこは非常に気をつかっており、たとえば空調設備のない体育館で試合を行う場合、窓を閉め切ったり、出来る限り影響の少ない箇所のみ窓を開けるなどの対応をしたうえで競技が行われています。自然な風は予想できないので、プレーに大きな影響を及ぼすからです。
普段であれば、風をも計算にいれて競技を行っているトッププロの選手たちも今回は、風向きが全く読めないという非常に困難な状況でのプレーでした。視聴者側の意見としては、選手たちが本来の力でぶつかり合えるような環境を用意して欲しいものです。