「削り取る」から「積み重ねる」へ
従来の製造は「削り取る」方式、3Dプリンティングは積み重ねる方式。3Dプリンターは物を作る方法の一つとして、従来からある金型を作っての成形や切削による造形を比較されることが多い。
一番の違いは、コスト及び時間の面で、少数(一つ一つが異なる形状のもの)を作る時に効率がいい。
そして環境の面では、ゴミを出さない。(従来の切削では削りかすがゴミとなっている)
合わせて、エネルギー削減ができる。
つまり、地球にやさしい技術なのだ。
クラフトマンシップが、民主化する
3Dプリンターの特徴を整理すると
■モノを作るという意味では、
・中空形状・複雑な内部形状の造形が可能
切削では削ることの出来なかった中空形状・複雑な内部形状の造形が可能。
・複数の異材料を使用しての一体造形が可能
・誰が何個作っても同じ物が出来る
・複数のモデルを一度に作ることが出来る
また、
■3Dプリンターの操作という意味では、
・扱う人の技術力に依存しない
・ 機器の取り扱いが容易
これは誰でもモノを作ることができるということだ。
現在とても安価な平面プリンター(写真や葉書などプリントするプリンター)の操作を考えれば、納得できるはずだ。
Avi Reichental氏が語っている……「クラフトマンシップが民主化する」と。
子どもの現状にも驚かされた。
小学生がパッドに描いたモノが実物大のモノとして実像化される。
これは、画期的なことである。
ロンドン(マーケットプレス)では、子どもがデザインしたプロダクトが製品化されている。
みなさんもよくご存知だろうが、人形、クルマやおもちゃ、ゲーム……子どもの発想は、大人のそれより秀でている。
今や3Dプリンターは精細度が良いだけでなく、ゴム系の材料が使えたり、複数の物性の異なる材料を混ぜながら造形が出来たり、カラーの造形が出来る3Dプリンターも開発され、用途の幅も広がりつつある。
また、鉄(金属)を素材とするプリンティング技術も開発されているという。
急激な変化について行けるのか?
3Dプリンターは、メリットだけではない。銃の部品の図面をダウンロードし、3Dプリンターにより部品を作成することで、殺傷能力のある銃が製作可能。2014年5月8日に3Dプリンターで作成した銃を所持していた大学職員の男が銃刀法違反で逮捕されるという事件(日本)は、記憶に新しい。
いつの時代もそうだが、新技術は使い方次第で善にでも悪にでも成り得る。
急激な技術の変化に、我々人間はついていけるか?……が、問題となる。
その問題を解く鍵は、『教育』。