キーワードはシェアとリノベーションとスケルトン
由比ガ浜の海水浴場。海の家は8月いっぱいで終了。浜辺は片づけ作業の真っ最中でしたが、海で遊ぶ人たちは大勢います
都会のような密集感がなく、かといって田舎でなく文化や暮らしに対するこだわりが強い鎌倉。海に近いし、緑も豊か。都会に暮らす30代~40代が、通勤に時間はかかっても、週末に自分らしい暮らしをしたい、日常生活を充実したものにしたいと考えたときに、古家は注目度が高くなります。
「限られた予算で、自分たちの生活を満足するために、今は古い大きな家のシェアや古家のリノベーションが増えています」とエンジョイワークスの福田さん。最近、都内でも中古マンションのリノベーションが増えていますが、鎌倉の場合は一戸建てのリノベーション。自分の手で自分のしたいように変えたいと、DIYに挑戦する人もいるそうです。
エンジョイワークスプロデュースによるスケルトンハウス。外観はシンプルなBOX型
スケルトンハウスの2階。室内は、間仕切りなしの大きな空間のまま
9月に終了したTV番組「テラスハウス」も、別荘をシェアハウスとして利用するカタチになりましたが、シェアハウスは基本シングル向き。家族でセカンド利用には似合いません。一方短期間のリゾートを楽しむなら、バケーションレンタルを使うという方法もあります。別荘などで使わない期間が多いことを利用して、一週間単位で貸す施設で、最近は鎌倉や葉山で広がりつつあるようです。料金はハイクラスの物件ではハイシーズンで、1週間で40万円~50万円くらい。貸別荘感覚でウェディングやパーティーなどに使うことができます。
すでに鎌倉に住む30代~40代の人たちは、通勤時間が負担でないのが前提でもあり、フレックス系、クリエィティブ系が多いようです。最近は、鎌倉で仕事をしたい、お店を出したいと考える人も増えているとのこと。「鎌倉にはIT関連企業も集まりつつあり、カマコンバレーなる呼び名も登場しています」。新しいウェーブが湘南に生まれているのです。
「若い人が増え、その若い人がみんな楽しそうな顔をしているっていわれるんですよ。好きなことをしているので、疲れていないんです」と福田さん自身も楽しそう。その言葉が鎌倉に住むということの魅力を表しているようです。