団塊ジュニアの移住志向が高まる!
鎌倉駅西口ロータリー。東口と異なり観光客が少なく落ち着いた雰囲気
鎌倉は平成25年には2308万人の観光客が国内外から訪れています。平成24年と比べて17%の増加ですから、年々歴史ある観光地としてのネームバリューがアップしているようです。
通常、都心から離れるにつれて土地の坪単価は安くなるのですが、こと鎌倉については昔からこの常識があてはまりません。都心への通勤もぎりぎりセーフ。海があり緑があり風情がある街として、そこに住み続けたい人、これから住みたい人も多く、住宅価格は高くなっているのです。
そんな特異な鎌倉の最新事情を由比ガ浜で不動産会社を営むエンジョイワークスの福田和則社長に伺いました。
新築よりも古家が人気
取材に伺ったエンジョイワークスさん。アクセサリーショップだったところをそのままの外観で使用しているので、不動産会社っぽくない
居住目的の需要は以前より微増の傾向。一方でセカンドハウスとしてのニーズはリーマンショック、東日本大震災の影響で落ち込んだものの、昨年あたりから回復傾向とのことです。「一番人気は鎌倉の旧市街地。駅徒歩20分以内を求められる人が多いです。このエリアは5000万円ではなかなか買えません」とのこと。やっぱり、という感じですが、潤沢な予算が必要です。
では、遠くなれば買えるかというと、「遠くなっても安くはなく、坪単価100万円を大きく下回りません」と福田さん。藤沢~鎌倉を走る通称江ノ電の周辺も、昔からの住宅地なので高くなります。また鎌倉市の場合、約55.5%が風致地域に指定されています。風致地区内では建物の高さ、建蔽率、道路と建物の距離、緑化率などで制限があります。鎌倉での家さがしや土地探しは、かなりむずかしいようです。
では予算5000万円くらいなら、どこで買えるか?ということですが、逗子よりの鎌倉、大町・材木座あたりや鶴岡八幡宮の東に位置する二階堂・浄明寺。徒歩20分以上またはバス便になるようです。
また、どんな人が鎌倉で家を探されているかというと、都会に住む30代中心の団塊ジュニアが居住用として探しているとのこと。
「鎌倉で庭があり縁側のある平屋か古民家をリノベーションして住みたい!というイメージで探しに来られる方が多いようです。ニュータウンのような住宅ではなく、眺望や庭や緑など特徴のあるものを探す傾向が強いため、タイミングの問題もあるから時間はかかります」
当初は駅から歩けるところにと思っていても、予算的に無理な場合、始発のある逗子、さらに葉山あたりまで検討範囲を広げましょう。価格は新築で5000万円~5500万円。古家だとリフォーム込みで3500万円ぐらいから探せるとのこと。古家に人気が集まるのも納得です。