ドイツ/ニュルンベルク

ニュルンベルクの街を眼下に望む城、カイザーブルク

中世の雰囲気の漂う美しい町並みを一望できるとあって、ニュルンベルク観光の主要スポットのひとつになっているカイザーブルク。その見どころをご紹介いたします。

執筆者:原 貴子

ニュルンベルクのランドマーク、カイザーブルク

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城のある小高い丘から見えるニュルンベルクの町並み

地続きのヨーロッパの歴史を感じる城塞都市ニュルンベルク。そのランドマーク的存在ともいえるのが、街の中心地からほど近い小高い丘に街を見下ろすように佇んでいるお城・カイザーブルクです。このお城は、神聖ローマ帝国の王たちが好んで滞在し、長い間その権力の象徴でもありました。たとえば、ニュルンベルク郊外にある未完成に終わったナチスの巨大建築物「コングレスハレ」と、その他関連施設群がこのカイザーブルグに向かいあうように意図的につくられていたこともそのことをよく表しているといえるでしょう。

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華美な装飾はなく、素朴な印象の建物が特徴的

かつては時代の覇者たちを迎え入れていたこのお城も、時とともにその重要性が薄れていき建物の老朽化も進行していきました。また第二次世界大戦でも甚大な被害を受けたといわれています。今では修復がほどこされ、城の内部や敷地内を歩けば、広大な領土を誇った神聖ローマ帝国の時代を偲ぶことができます。それではその見どころをご紹介いたします。



王たちの時代を伝える展示と変わらない美しい町並み

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城の内部にある美しい礼拝堂

神聖ローマ帝国の王が選出されていたフランクフルト、戴冠式が行われていたアーヘンに並んで、中世後期には非常に重要な都市として位置づけられていたニュルンベルク。王の戴冠の後には、この都市で最初の帝国会議が開かれる習わしがあったといわれています。歴代の王の中にはこの都市を気に入り、カイザーブルクにとりわけ多く滞在した人もいたそうです。

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敷地内でひと際目をひくのが塔と井戸のある建物

城の内部には、礼拝堂や王の居住空間や調度品の数々、王が滞在した際の暮らしや当時の時代背景を反映するかのような武器コレクションなどが一堂に会しています。そんなお城の中も必見ですが、なにより興味深いのはカイザーブルクから見る街の景色。小高い丘の上から見る中世の雰囲気を思わせる味のあるニュルンベルクの町並みは美しいの一言です。遮るものの何もないパノラマの街の風景。歴代の王たちも、この景色をこの場所から見ていたのでしょうね。

お城以上に面白い!? ジンヴェル塔と井戸

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木製の螺旋階段をのぼりきると、眼下にはニュルンベルクの街が!

このお城の最大の見どころといってもいいのがニュルンベルクの街をさらに高いところから見渡せるジンヴェル塔と井戸。

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塔からは城のふもとにある画家・デューラーの家も見ることができる

お城の敷地の中でもその背の高さとユニークな風貌がひときわ目を引くジンヴェル塔。中に入り、木の螺旋階段に沿って上って行くと塔の頂上にたどり着きます。お城の敷地内から見るニュルンベルクの街ももちろん美しいのですが、このさらに高い塔からは眼下に広がる360度の景色を見ることができるのがポイントです。

また、第二次世界大戦で壊滅的な被害を受けたニュルンベルクの街の写真も方角ごとに展示されているので、当時の町並みを元に再建した現在の街の景色と見比べてみるのも面白いと思います。

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趣向を凝らしたプレゼンテーションの数々に注目

もうひとつの見どころといえば、城の敷地内にある井戸。こちらは15分ほどのガイド形式のツアーで見学することができます。深さ50メートル以上といわれるこの井戸、イマイチどのくらい深いものなのか実感がなかったのですが、ガイドさんが石を井戸に放り、長い沈黙の後に小石が水面を叩く音を聞いたらその深さに納得。また、ろうそくを井戸の上から滑車で下ろして内部を照らしてみせてくれたりと、言葉がわからなくても参加者が井戸のつくりや当時の暮らしぶりを想像しやすいような趣向を凝らしたプレゼンテーションが満載。ドイツ語がわからなくても十分に楽しめる内容になっています。

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毒物の混入を阻止するために施された窓の格子。場内での井戸の重要性が伺える

往時の王たちの暮らしを伝え、ニュルンベルクの街を一望できるスポット、カイザーブルク。ニュルンベルク観光の際にはぜひ訪れてみてはいかがでしょう。ちなみに王の馬屋だった建物は現在ではユースホステルになっているそう。街の中心地からもほど近いので、こちらでの滞在を選択肢の一つとして検討してみるのもありかもしれません。

<DATA>
■Kaiserburg
住所:Burgverwaltung, Auf der Berg 13 90403 Nürnberg
営業時間:4~9月9:00~18:00、10~3月10:00~16:00
休館日:日曜、12月24日、25日、31日、灰の水曜日の前日の火曜日(多くは2月、または3月で、日にちは毎年変わる)
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