高校教師 北野祐一郎(斎藤工)と恋に落ちる主婦 笹本沙和(上戸綾)、画家 加藤修(北村一輝)と恋に落ちる主婦 滝川利佳子(吉瀬美智子)、4人を中心に物語は展開します。
ドキドキからドロドロへ 視聴者をわかせた5つのファクターを探ります。
1: 2人の前に立ちはだかる宣戦布告の女たち
恋路を邪魔する女たちは「意地悪」です。意地悪女が主人公たちに根性悪な言葉で宣戦布告します。昼ドラであれば、宣戦布告する意地悪女は一人のことが多いのですが、今回は厄介にも3人登場します。
祐一郎の妻で 戦慄のリケジョ・乃里子(伊藤歩)、修の元妻で、細い体細い声、図太い精神の佐倉亜紀(高橋かおり)、沙和の夫・笹本俊介(鈴木浩介)を狙う浮遊する女、長谷川美鈴(木南晴香)。
3人はどうひいき目に見ても、応援する要素が極端になく(3人の大人度は大きく違います)、視聴者にとっては嫌な存在です。不倫は否と百歩譲っても、乃里子の激烈な襲撃に憤慨した視聴者は多く、画面のこちらはわきに沸いたと言えます。
2: 天国へ導き地獄へ突き落とす 物語を主導する携帯電話
すべての夢をかなえるのは、手帳ではなく携帯です。幸せを導き、地獄へ突き落す携帯電話。魔法のツールはドラマチックに何もかもを牛耳るのです。
携帯電話が鍵を握ります
携帯電話は、離れていても心をつなげてくれるアイテムです。メールだと選ぶ言葉が優しくなり、恋心はさらに高まります。まさに気分は天国です。
一方、返信が遅い不安、返信できない焦り、すれ違いや誤解が重なるとたちまち地獄に落とされます。一喜一憂が恋愛の魅力とは言え、それが一生続くと大変そうです。
後半、携帯電話を盗み見され、よからぬ操作がされます。連絡が途絶え、恋心に迷いや苦悩が生まれます。
そもそも、そんな機密事項満載の魔法のツールの扱いが意外に杜撰で、視聴者を驚かせます。何とも言えない苦々しさ(あるいはトホホ感)も、視聴者感情を刺激します。