足が臭うのは、人間がサルだから?
足のニオイの原因は?
「手に汗を握る」という表現がありますが、これは危険な場面や緊迫した状況で、はらはらするさまを表したものです。それでは、何故そのような状況で手に汗をかくのでしょうか?
サルも木から落ちる?
特に木から木に飛び移る際の、緊張した場面では、手や足に汗が出たはずです。この遺伝子が今も我々に残って、危険な場面や緊迫した状況では手のひらや足の裏に汗をかくのだと考えられます。
江戸時代には足のニオイはなかった?
手のひらや足の裏に発達している汗腺は、エクリン腺(小汗腺)と呼ばれるもので、ここから出る汗は、普通の汗と同じで本来は特別なニオイはありません。手のひらの場合は汗が多くてもそれほど問題になりませんが、足の場合は靴下やストッキングを履いた上に、靴を履くことが多く、足が常に蒸れた状態になりやすくなります。足の裏は皮膚の中でも角質が多く、これが常に新陳代謝して、古い角質が足の裏や足指の間にたまりやすくなっています。こうなると、皮膚の常在菌や、靴やサンダルに付いている雑菌が急速に繁殖します。これらの菌は角質や、皮脂、汗などを食べて代謝し、足のニオイになる原因物質を出します。
日本に靴の文化が入ってきた明治以前の日本人の履物は、下駄や草履、わらじといったもので、高温多湿の日本の気候に合ったものでした。子供や貧乏な人々は裸足で暮らすということも珍しくなかった時代です。
このような履物で外を歩くと足が必ず汚れるので、家に上がる前には、必ず手桶で足を洗うという習慣もありました。この時代には「足のニオイ」というのもあまり問題にならなかったはずです。
彼氏の態度急変は「足のニオイ」が原因!?
ところが、明治以降に洋服文化が入り、庶民にも定着すると、日本人は下駄や草履を脱ぎ、靴を履くようになりました。しかし、足の全体を覆う靴は高温多湿の日本では気候風土に合わず、足は靴の中で蒸れ続けてきた、というわけです。男性の靴に比べて女性の靴は、サンダルをはじめ蒸れにくい構造ですが、吸湿性の全くないストッキングを履いてしまうと、やはり蒸れてしまいます。「足のニオイ」というと中年オヤジを連想しがちですが、若い女性もご用心。彼氏の態度急変の理由が、実は自分の足のニオイだった、などというケースも最近では増えているようです。
対策はニオイの元を断つこと
体臭対策の基本は「元を断つこと」ですが、足のニオイ対策も同じです。
第一に足を常に清潔にして、角質をきれいに取って、原因菌の温床をなくすこと。現代では昔のように家に入る前に、土間で足を洗うという習慣は無くなりましたが、シャワーでこまめに洗うという習慣を心がけると良いかもしれません。
第二には、なるべく足が蒸れない環境にすることです。ファッション性だけで靴を選ばず、通気性ということも考慮して靴を選び、靴下などはなるべく吸湿性の良いものを履いて、足が蒸れないようにすることも大事です。
毎日、革靴を履くサラリーマンは特に注意!
そして、第三に原因菌の温床になっている靴やサンダルの殺菌を心がけることです。脱いだ後、そのまま暗く湿った下駄箱にしまってしまったら、そこで原因菌が増殖します。脱いだ後は乾燥剤を入れて乾燥したり、休みの日に日光に当てたりして殺菌することも効果的です。毎日同じ靴やサンダルを履くのも厳禁です。毎日履くと、靴の中の常在菌が爆発的に増殖してしまいます。
血液の汚れが足のニオイに直結
最後にもう一つ見過ごされがちな原因があります。それは血液の状態です。エクリン腺(小汗腺)から汗が出る理由は、蒸散作用によって体温の調整をすること、皮膚表面に湿り気を持たせて保護すること、身体の老廃物を排泄することなどです。ニオイには血液が関係する
特に肉などの動物性タンパク質には、硫黄を含んだ含硫アミノ酸が多く含まれますので、消化や代謝が上手くいかないと、硫化水素(卵の腐ったようなニオイ)や、メルカプタン〔メタンチオール〕(タマネギが腐ったようなニオイ)のような強烈なニオイの硫化物が血液中に大量に流れ込みます。
こうすれば足のニオイはスッキリ解消
あなたの足は大丈夫?
足の蒸れを防ぐには、先ずそのような意識をもって靴を選んだり、靴下を選んだりすることが大事です。最近では汗を吸って、同時に乾燥もしてくれる新素材もありますし、抗菌作用のある靴下などもあります。靴の乾燥と殺菌には日光消毒が一番有効ですが、靴専用の乾燥剤や殺菌剤のほかに、紫外線で殺菌したり、乾燥したりしてくれるシューズボックスなどもあります。
足のニオイに限らず体臭や口臭の原因の深い部分に、血液の状態があります。血液の状態は食生活をはじめとする生活習慣を反映するもの。バランスが良い食事と腹八分目を心がけ、暴飲暴食を避けて、規則正しい生活をすることが基本。これを守れば、あなたの足のニオイはスッキリ解消するはずです。
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