部屋探し・家賃/賃貸物件の情報収集術

最初に払う費用に違いが!仲介手数料と取引態様の関係(2ページ目)

仲介手数料が発生するかどうかは、不動産会社の善意によって決まる・・・わけではありません。ちゃんと宅建業法で決められています。仲介手数料を払いたくない人は、取引態様をチェックしましょう。

加藤 哲哉

執筆者:加藤 哲哉

賃貸・部屋探しガイド


仲介手数料を安く抑えたいなら・・・?

少しでも費用を安く抑えたいと考えるのなら、シンプルに貸主から直接借りるのが得策。ですが、貸主から直接借りられる物件はほとんどありません。

というのも、賃貸不動産業は時にわずらわしい業務も発生します。いくら貸主であっても自分の物件を人に貸すときには、大家さんが契約書を作成することもあるでしょう。知識があればまだしも不動産業にまったく素人の大家さんなら、これは大変なことです。それならば・・・とほとんどの大家さんが、仲介業者を頼りにするからなのです。

もうひとつ大きな違いがあり、借主にとって注意が必要なことがあります。

それは、貸主として物件を貸す場合には、宅地建物取引業法、いわゆる宅建業法の制約を受けないということ。一般的に、仲介業者から部屋を借りる場合には宅建業法によって規制されていますので、宅地建物取引主任者による重要事項説明(不動産会社が、物件の設備などの詳細や契約に関する条件など重要な事項を契約前にしっかり借主に説明すること)が義務付けられています。が、貸主の場合には宅建業法の適用がないため、重要事項説明もなければ契約などに関してトラブルが起こったとしても行政による監督処分などの対象にはなりません。

もし、貸主が不動産会社などの法人なら、任意で物件の詳細や契約に関する説明がなされるかもしれませんが、貸主が個人の大家さんで個人的に部屋を貸し借りする場合だと、あえて説明もないかもしれません。よって、契約に関しても自分で不明なことは確認したり、最初に取り決めをしておかないと後々トラブルの原因になる可能性が潜んでいるのです。


必ず広告には明示されている 

取引態様は、不動産取引に関する広告には必ず明示しなければならないことになっています。また、実際に取引をするときにも、示さなければなりません。なぜなら、前述の通り取引態様の違いによって、宅建業法の適用があるかどうか、また仲介手数料が必要かどうかも変わってくるからです。

このことは宅建業法第34条で「取引態様の明示」として定められており、この義務に違反した場合には行政処分(業務停止処分や免許取消処分など)を受けることになります。

もし、賃貸情報を扱う不動産会社の取引態様が明示されていない場合には、必ず確認しましょう。仲介手数料を浮かせた分、自分でしっかりと契約物件の取り決めをしておくことが必要ですよ。

【関連記事】
・「貸主」「代理」「仲介」・・・取引態様ってなに?

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