時価数億円!珍品切手の展示
今回の競争以外の展示での最大の目玉は、珍品切手を披露した展示スペースです。イギリスの海外植民地での切手第1号として有名なモーリシャスのポストオフィス切手、アメリカの航空切手のエラーとして有名な宙返りジェニー24セント、イギリス領ギアナのコットン・リールなど、現存数の極めて少ない切手ばかりが展示された特設スペースは連日の大賑わいでした。こういう展示は国際切手展ならではの醍醐味といえるでしょう。いわく付きの竹島切手
会場には「竹島切手」の原画も展示されていて、異彩を放っていました。ここでは竹島(独島)をめぐる外交紛争そのものを論じるつもりはありませんが、竹島(独島)を描いた韓国切手(2005年発行)の原画も展示スペースの一角に置かれていて、足を止めて見ていく参観者が多くいました。発行当時の詳細な情報は、作家の内藤陽介さんが自身のブログに詳しくお書きになっていますので、そちらに譲りたいと思います。もっと手紙に親しむために
また、切手展は手紙に親しむ啓発の場でもあります。李朝の衣装を着けたおじさんがホスピタリティーを発揮して、漢字とハングルのカリグラフィを書いてくれるコーナーがあり、人気を博していました。一味違った切手探し
海外の切手展に行くと、地元の切手ディーラーのブースも数多く出店され、大きな楽しみの1つとなっています。ショップもその国ならではの品揃えで、日本にいてもなかなか入手できない切手と出会うことができて、楽しいものです。私も日本人の収集家仲間と連れ立って掘り出し物探しを楽しみました。私が見つけたのは、金魚鉢の形をしたアメリカ軍の検閲印(右上の薄い黒印)が押された南朝鮮(軍政期の呼称)の電報(1946年)です。少し専門的になるのですが、この検閲印は日本で行われたGHQの検閲制度を持ち込んだもので、朝鮮での例は少ないため、学術的にも貴重なものです。やや高い値段がついていたのですが、なんとか少しだけ負けてもらうことができました。
おいしかった韓国料理+韓国ビール
国際切手展では、ずっと切手ばかり見ているわけではありません。切手収集家の仲間と連れ立って、会場付近の食堂やレストランへ行き、「あの作品見た?」といった意見交換をしながら現地の料理を味わうのも楽しいものです。あれこれ食べましたが、私自身は魚介系の鍋料理が気に入りました。「カス(Cass)」や「ハイト(Hite)」などの韓国ビールとも相性ピッタリで、料理が辛いこともあり、少し進みすぎてしまいました・・。今後の国際切手展開催について
このように見どころと楽しみがたくさんある国際切手展です。今後の開催予定を知りたいという方は、(公財)日本郵趣協会のサイト内にスケジュールが公開されていますので、ぜひご確認ください。国際切手展のスケジュール。日本郵趣協会のサイトで紹介している。
さて、次回の記事は再び日本に戻りまして、東京・目白にある「切手の博物館」について紹介したいと思います。