*ちなみに、「フィラ」とは切手研究(郵趣)を意味するフィラテリー(Philately)から取ったもので、よく切手展の名称などに付けられます。
国際切手展は国際郵趣連盟(FIP - Fédération Internationale de Philatélie)主催の切手展のほかに、アジア郵趣連盟(FIAP - Federation of Inter-Asian Philately)主催の「アジア展」などがあります。今年、韓国は国際郵趣連盟主催の切手展の開催国となり、韓国なら国内旅行の気分でも行けることから、参観してくることにしました!
2,500フレームの競演
国際切手展のすごいところは、なんといってもその規模です。切手展はコレクションを収納するフレーム(金属製のパネル)数で規模を表現しますが、国際郵趣連盟主催の切手展では、2,500フレーム以上で実施することが決められていますから、大変な量です。国際切手展に出品するには
国際切手展に出品するためには、国内の切手展で金銀賞以上(75点以上)を獲得し、一流のコレクションと認められなくてはなりません。現在、日本国内で行われる切手展で、国際切手展に通用する資格が得られるのは、夏に開催される全日本切手展(東京・錦糸町)と、秋開催の全国切手展(東京)のみ。国内で行われる最大規模の切手展は、国際切手展への資格審査を兼ねています。日本勢の大健闘
今回の切手展では、日本人の収集家の躍進・健闘が目立ちました。合計20作品がエントリーして、大金賞4(95-99点)、金賞8(90-94点)、大金銀賞5(85-89点)、金銀賞1(80-84点)、大銀賞2(75-79点)という戦績でした。原則として国際切手展に初めてチャレンジするときは、5フレームにまとめて展示しなくてはならないのですが、85点以上を取ると昇格して、次回からは5フレームから8フレームへと展示の割り当てが拡大されます。さらに90点以上を獲得すると、表彰台に立つことができます。今回は日本人出品者の過半数が90点ラインを突破し、実に17作品が85点ラインを突破しているので、日本の出品者の水準の高さが伺えます。
朝鮮郵便史の展示
日本人出品者の中でとりわけ注目されたのは、井上和幸さんの1876-1909年の「朝鮮郵便史」の作品(97点)です。1910年(明治43年)に韓国併合が行われたのは有名ですが、実は郵政業務のレベルでは1905年(明治38年)の時点で日本の郵政と統合されていました。ここ至る経緯を丁寧に解説した作品で、惜しくも今回のグランプリこそ逃しましたが、この大舞台で「グランプリ候補」の栄誉に輝きました。今回の作品とほぼ同じ内容のものが『朝鮮郵便史』として公刊されていますので、興味のある方はぜひご覧ください。若手収集家の快挙!
今回もう1つ注目されたのは、早稲田大学4年の木戸裕介さんの展示「琉球1948-1958」です。ハイユース部門で堂々の86点の大金銀賞受賞を果たしました。もちろん社会人とは異なる採点基準ですが、それでもこのラインの突破は難しく、ユース時代に85点ラインを突破したのは、日本人としては歴代3人目の快挙です。次のページでは、得点(スコア)を競う展示以外の見どころや楽しみ方について紹介したいと思います。