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不動産の「仲介手数料」の算出法が変わる?

ソニーが不動産事業に参入し、「仲介手数料の合理化」を掲げました。かかる分だけの手数料を算出する仕組みを導入したものです。今後、仲介手数料は、変わっていくのでしょうか?

山本 久美子

執筆者:山本 久美子

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ソニーが2014年8月から不動産事業に参入し、注目を集めています。仲介手数料の合理化を掲げ、かかる分だけの手数料を算出する仕組みを導入したからです。こうした従来型の不動産仲介のビジネスモデルを変える動きが、出始めています。仲介手数料の考え方は、変わっていくのでしょうか?

仲介手数料は上限だけが決まっている

住宅の売り買いや貸し借りをする場合、仲介する不動産会社に依頼するのが一般的です。売買や賃貸借が成立すると、不動産会社は仲介手数料を受け取ります。売主から依頼を受けた場合は売主から、買主を見つけた場合は買主から。売主から依頼を受けて、自社で買主を見つけた場合は双方から受け取ります。賃貸借の場合も同様です。

その際に受け取れる仲介手数料の額については、法律で上限を定めています。

【売買の場合】※売買価格400万円超の場合
売主・買主それぞれから(売買価格×3%+6万円)+消費税

【賃貸借の場合】※住宅の場合
貸主・借主それぞれから(賃料の0.5カ月以内)+消費税
ただし承諾がある場合、貸主・借主いずれかから(賃料の1カ月以内)+消費税


不動産会社が仲介手数料として、この上限額を請求するのが長い間の慣行となっていました。ここに風穴を開ける動きが出てきたわけです。

従来型の仲介手数料の考え方に変化に兆し

仲介手数料は、取引額の料率で計算する方式なので、都市部など売買価格が高いほど受け取れる手数料も高くなります。ただし、売買価格の額にかかわらず、依頼者の要望を聞いて、取引の相手を探し、物件の案内をして、契約などの手続きを進めるという行為にはそれほど大きな違いはありません。

私が仲介するなら、できるだけ高額な物件を扱いたいですし、売主から依頼された物件があれば積極的に買主を見つけようとすると思います。仲介専門の不動産会社は、仲介手数料が収益源ですから、効率を求めるのもやむを得ないといえるでしょう。

この慣行は、決して消費者に有利なものではありません。そう考えて、新しいビジネスモデルをとる不動産会社が登場しています。


>>次ページからは、どういったビジネスモデルなのか、仲介手数料の算出方法はどうなるのか、具体的に見ていきましょう。
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