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スズキ・ワゴンR マイルドハイブリッドの走りは?(2ページ目)

CMやホームページ、カタログでは大々的にハイブリッドとは謳っていない一部改良後のスズキ・ワゴンR。日産セレナもモーターのみの走行はできないが、S-HYBRIDと謳っている。どんなシステムでどんな走りなのだろうか?

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

モーターアシストはあるが、加速フィールは変わらない

ワゴンR

三菱電機製の「ISG(Integrated Starter Generator)」は、モーター機能付発電機でオルタネーターよりも発電効率が高く、エンジン再始動時に活躍。セルモーター式よりも騒音を約40%、減速時の発電能力を約30%向上。エンジンの再始動時は、音も振動も軽自動車ではトップクラスの完成度だろう

システムを簡単に説明すると、従来の「エネチャージ」と同様に、助手席座面下にリチウムイオン電池が搭載され、さらにエンジンルームに鉛バッテリーが配置されている。

今回新たに加わったのが、スターターモーターとモーターアシスト機能を合わせて持つISGと呼ぶモーター機能付発電機で、回生エネルギーを使ってISGが発電し、ふたつのバッテリーに充電。

回生時に得たエネルギーを活用し、エアコンやオーディオなどの電装品の電力をまかなうことで、走行時の無駄な発電を抑制して燃費への影響を抑制する。

さらに、燃料を多く使う加速時を中心にモーターが加速をアシストすることで、そのぶんエンジン出力を抑えるというシステムだ。

モーターアシストには作動条件があり、15km/h~85km/hのCVTロックアップ時で、さらに「アクセルの踏み増しを行った際」、「エンジン回転数が3500rpm以下」などがある。

もちろん、「S-エネチャージ」専用のリチウムイオンバッテリーの充電量がある一定以上ないとモーターアシストはしない。
ワゴンR

モーターアシスト時には電池マークのインジケーターが点灯する

乗った感覚では、ハーフスロットルくらいの踏み具合ではモーターアシストは利かず、パーシャル域から優しく踏んでいくとメーターの電池マークが点灯することが多かった。

今回は高速道路に乗る機会はなかったので予想だが、高速道路の流入路での急加速時やETCゲート通過後の再加速時(急加速)などはほとんどアシストしないはずで、基本的にはストップ&ゴーの多い街中で活躍するシステムになっている。

しかし、ガソリンを最も食うゼロ発進時になぜアシストしないのか(15km/h~85km/h内で作動)という疑問が浮かぶ。現在もチャレンジ中とのことで、それがバッテリーの容量など技術的な課題からなのか、コスト面からなのか、その両方なのかは教えてもらえなかった。

気になるモーターアシストだが、試乗中ずっと雨だったこともあるかもしれないが、モーター独得の高い音は聞こえず、アシスト時にメーターに点灯する電池マークを見ないとほとんど分からなかった。

なお、アシストは最大で6秒間、1回アシストすると3秒間は機能が停止するそうだ。

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