モーターアシストはあるが、加速フィールは変わらない
三菱電機製の「ISG(Integrated Starter Generator)」は、モーター機能付発電機でオルタネーターよりも発電効率が高く、エンジン再始動時に活躍。セルモーター式よりも騒音を約40%、減速時の発電能力を約30%向上。エンジンの再始動時は、音も振動も軽自動車ではトップクラスの完成度だろう
今回新たに加わったのが、スターターモーターとモーターアシスト機能を合わせて持つISGと呼ぶモーター機能付発電機で、回生エネルギーを使ってISGが発電し、ふたつのバッテリーに充電。
回生時に得たエネルギーを活用し、エアコンやオーディオなどの電装品の電力をまかなうことで、走行時の無駄な発電を抑制して燃費への影響を抑制する。
さらに、燃料を多く使う加速時を中心にモーターが加速をアシストすることで、そのぶんエンジン出力を抑えるというシステムだ。
モーターアシストには作動条件があり、15km/h~85km/hのCVTロックアップ時で、さらに「アクセルの踏み増しを行った際」、「エンジン回転数が3500rpm以下」などがある。
もちろん、「S-エネチャージ」専用のリチウムイオンバッテリーの充電量がある一定以上ないとモーターアシストはしない。
乗った感覚では、ハーフスロットルくらいの踏み具合ではモーターアシストは利かず、パーシャル域から優しく踏んでいくとメーターの電池マークが点灯することが多かった。
今回は高速道路に乗る機会はなかったので予想だが、高速道路の流入路での急加速時やETCゲート通過後の再加速時(急加速)などはほとんどアシストしないはずで、基本的にはストップ&ゴーの多い街中で活躍するシステムになっている。
しかし、ガソリンを最も食うゼロ発進時になぜアシストしないのか(15km/h~85km/h内で作動)という疑問が浮かぶ。現在もチャレンジ中とのことで、それがバッテリーの容量など技術的な課題からなのか、コスト面からなのか、その両方なのかは教えてもらえなかった。
気になるモーターアシストだが、試乗中ずっと雨だったこともあるかもしれないが、モーター独得の高い音は聞こえず、アシスト時にメーターに点灯する電池マークを見ないとほとんど分からなかった。
なお、アシストは最大で6秒間、1回アシストすると3秒間は機能が停止するそうだ。
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