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沖縄・やんばるの山遊び(2ページ目)

様々な固有種が生息し、独自の生態系を育む沖縄・やんばるの森は、太古の森とも呼ばれる貴重な生命の宝庫で、近年はパワースポットとしても注目を集めています。「沖縄に来て海ではなく森?」と思う人も多いと思いますが、亜熱帯のジャングルの森の素晴らしさは決して海にも負けません。まだまだやんばるを知らない人のために、やんばるでの山遊びについてお話します!

小林 繭

執筆者:小林 繭

沖縄ガイド

山での自然の楽しみ方

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沖縄本島でも珍しい慶佐次湾のヒルギ林(マングローブ) (C)OCVB

生命豊かなやんばるの山は、表情もとても豊か。エリアによって異なる景観を楽しむことができます。まだ標高がそう高くない東村のあたりでは、悠々と流れるマングローブの川に、南国のジャングルの景色を重ね、山深い国頭村では深い谷底を流れる渓流の姿が圧巻です。

一本細い路に入れば、ダイナミックに蔓を伸ばす南国の植物とそこここに湧きい出る澄んだ湧き水。大小の滝が点在し、山全体が深いマイナスイオンに包まれていることがわかります。そんな奥深い魅力に溢れるやんばるの山の自然を楽しむなら、車に乗ったり、歩いたり、カヌーに乗ったりと、色々な手法を取ることをおすすめします。
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まるで古代の森の中を行くようなやんばるのドライブ

ドライブなら、ぜひ林道を楽しんでほしいです。道幅が狭いぶん車の中からでも間近にジャングルの森を観察することができます。せっかくなので、気になったところで車を止めて、じっくりと植物や動物たちの姿を観察してみるのもおすすめ。自分の足で歩き、実際に顔を近づけて見てみることで、気がつくこともいっぱいです。植物の大きさや、ダイナミックな形に驚いたり、足下でうごめく小さな生き物の姿を眺めたり。
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沖縄県最高峰を誇る与那覇岳 (C)OCVB

やんばるの山は一番高い与那覇岳でも500mほど。森の自然に触れながら山登りに挑戦してみるのもありです。3時間もあればじゅうぶんに登って帰ってくることができるので、天候がよければトライしてみては? 夏なら、トレッキングを兼ねたコースで滝を訪ね、澄んだ滝壺に浸かって水遊びなんていうお楽しみも。普段あまり山登りやトッレキングなどのフィールドスポーツに慣れ親しんでいない人であれば、やんばる学びの森や国頭森林公園など、トレッキングコースが整備されている施設を利用するのが安心です。

また、国頭村にあるやんばる野生生物保護センター「ウフギー自然館」では、やんばるの自然や野生動物の生態について学べる展示があるので、まったくやんばるが初めてという人は、まずここを訪れてからやんばる観光をスタートすると、自然への理解が高まりやんばるをより楽しめるのではないかと思います。
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巨大に成長したヒカゲヘゴが生い茂る遊歩道が整備された「やんばる憩いの森」 (C)OCVB

近年、やんばるでは実に様々なエコツアーが開催されているので、エコツアーを上手に利用して色々な側面からやんばるの自然に触れてみるのもいいでしょう。初めての方は、とりあえず一度はガイドさんと一緒に森歩きをしてみることをおすすめします。ガイドさんの目を通して見る森は、想像を遥かに上回る奥深さで、知れば知るほど奥深いやんばるの魅力に気づかされるはず。

年間を通して楽しめるマングローブの川をカヤックでいくマングローブツアーも人気のアクティビティ。カヤックに乗りながら眺める景色は、普段よりも低い視線から楽しむことができるので新鮮に感じることでしょう。カヤックに乗って悠々と川を散歩しながら眺めるブロッコリーの森や、水辺に集まる動物たちの姿を楽しんでみてはいかがでしょう。
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やんばる学びの森で体験できるカヤックツアー。亜熱帯のジャングルクルーズ気分を楽しめる (C)OCVB

そして、あまり知られていませんが、やんばるには全部で9つのダムが点在します。ドライブをしているとダムの表示が出てくるので、いくつか立ち寄ってそれぞれの景観を比べてみるのもいいかも。ダムへ行く途中には霧に覆われたブロッコリーの森の景観が美しく広がるので、ドライブコースとしてもおすすめ。ダムマニアでなくても意外と楽しめますよ!

やんばるの山遊びでの注意点

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やんばるでは絶対にスピードを出さないで! ヤンバルクイナら稀少動物の交通事故が後をたちません

やんばるに限ったことではありませんが、山遊びに出かける際、暑い日でも服装は長袖&長ズボンが基本です。虫除けスプレー、帽子、飲み水は必須携帯アイテム。場所によって携帯電話が通じない場合もあるので、スマホの地図機能などもあまりアテにしないこと。沖縄本島はハブがいる島ですから、むやみに草むらに入ったりすることは厳禁です。特に夕方暗くなってきてからは舗道以外の道は歩かないくらいのつもりで。

そして、車を運転する際には、できる限りゆっくり運転することを心がけてください。他にほとんど交通量がないので、ついついスピードをあげてしまう人もいると思いますが、ヤンバルクイナをはじめとした天然記念物の動物がいつ道路に飛び出してくるかわからないのです。やんばるの自然に癒されるつもりが、稀少動物との交通事故という惨事は避けたいですよね。やんばるでは急かず、のんびりと行動するのがルールです。せかせかと急いでいてはやんばるの大切なポイントを見落としてしまうことをお忘れなく。

やんばるの山の自然を楽しめるスポット

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安波のタナガームイ。夏には泉で遊ぶ人の姿も


■やんばる野生動物保護センター ウフギー自然館
沖縄県国頭郡国頭村比地263-1
TEL:0980-50-1025
入館無料

■やんばる学びの森
やんばるの自然を正しく理解し保全するための知恵を共有し広めるための自然施設。気軽に楽しめるトレッキングコース(ガイドあり、なし)もあります。宿泊施設あり。
沖縄県国頭郡国頭村安波1301-7
TEL:0980-41-7979

■国頭村森林公園
国頭村にある森林面積の大きな自然公園で、約3kmの遊歩道が整備されています。森林セラピーのプログラムもあり。宿泊施設あり。

■大石林石
辺戸岬手前にある国定公園。古くから聖地としてあがめられてきた安須杜に位置するため、近年パワースポットとしても人気を集めています。敷地内には30分ほどで歩ける散策コースがいくつかあります。
沖縄県国頭郡国頭村宜名真1241
TEL:0980-41-8117

■比地大滝
本島内で最大の水量を誇る滝。遊歩道が整備され、駐車場からは片道約50分。雨量や天候によってコンディションが大きく異なるので、訪れる前に確認したほうがいいでしょう。キャンプ場併設。
沖縄県国頭郡国頭村比地
TEL:0980-41-3636
入場料200円

■与那覇岳
標高503m、沖縄本島最高峰。登山道も整備されています。

■安波のタナガーグムイ植物群落
安波にある天然記念物の指定を受ける植物群落スポット。沖縄の言葉で、タナガーとは手長エビのことで、クムイとはため池のこと。つまりタナガーグムイとは、手長エビがたくさんいる泉のこと。泉のまわりには植物がいっぱいで、マイナスイオンと自然を満喫できますが、ハブにはくれぐれもご注意ください。
沖縄県国頭郡国頭村安波

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