テクノポップ/海外のテクノポップ

世界のエレクトロ男女ペア~グルジア&アルメニア

「世界のエレクトロ男女ペア」対談26回目! さらに辺境へ、今回は黒海とカスピ海に囲まれるコーカサス地方。一部ロシアですが、独立国としてグルジア、アルメニア、アゼルバイジャンがありますが、先ずはグルジアとアルメニアから。一押しは、グルジアのDaft Punkと僕が勝手に呼ぶSvanSikhと日本語歌唱のAsea Sool!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

コーカサス

ガイド:
コーカサス、ケフィアの発祥地として名前は聞いた事があるでしょうが、あまりイメージが湧かない地方です。コーカソイドは、人種的な定義で「白人」という意味で使われますが、これはコーカサスを語源としています。黒海とカスピ海に囲まれたコーカサス(コーカサス山脈もあります)は多種の民族が住む地域で、南コーカサスに位置する独立国は、グルジア、アルメニア、アゼルバイジャンですが、北コーカサスはロシア内の共和国、そして独立を巡り揉めている多数の共和国が存在します。

グルジア

ガイド:
グルジア、英語表記をすると、Georigia。アメリカのジョージア州と紛らわしいです。実際、グルジアは日本にジョージアへの表記変更を求めています。人口は、約450万人。ソ連のスターリンの出身地。グルジアワインが有名で、ワインの発祥地とされています。2008年には南オセチア州を巡り、ロシア-グルジア戦争が勃発してしまいましたが、「旅博2013」に行った際、グルジアは積極的に観光誘致をしていました。ここも、訪れてみたい国です。さて、音楽となるとさっぱりイメージが湧きません。

松見:

コーカサス地方は男女ペアの発掘になかなか苦労しました。それ以前に独立・併合の歴史や、アルメニアやグルジアといった独自の文字を持つ言語について調べていくとこれまた興味深くて脱線していました。文化を知るにはまず国を知る所から…ということで、この対談、かなり勉強になることが多いです(笑)。

ガイド:

「文化を知るにはまず国を知る所から…」とは、いい事を云うじゃないですか!、松見さん。国の勉強だけをしていたら、世界地理って感じになりますが、興味のある分野なら調べる意欲が湧きます。

SvanSikh

ガイド:
iwannabeyourlover

I Wanna Be Your Lover

グルジア音楽のイメージが湧かないと言いましたが、発掘してSvanSikhには惚れました。首都Tbilisi(トビリシ)出身のAnano SikharulidzeとBacho Svanidzeの二人からなるデュオ。不思議な名前は、二人の姓名の一部を合体させたもの。最初、この非公式クリップを見て、「グルジア、意外とやるじゃない。こんなNu-Disco系の人たちがいるんだ!」と。

I Wanna Be Your lover (YouTube)

こちらは、ショートストーリー仕立てのミュージカル「F5」からの8分ヴァージョン。ホテルの清掃係の女子がバレエダンサーになって踊るのが感動的。

I Wanna Be Your Lover (YouTube)

 

svansikh

Svansikh

そして、SoundCloudで片っ端から聴いてみました。レベル高い! 派手ではありませんが、ディスコティークなポップミュージックとして一つ一つの曲が完成されています。世界を目指してほしいです。

SvanSikh (SoundCloud)

 

松見:
これはかなりツボです!男女ではありませんでしたが、エレクトロ系の男性デュオだけでも結構何組か発見したので、グルジアはもしかしたら隠れたエレクトロ大国なのではないでしょうか。

Asea Sool

松見:
sazamtrofm

Sazamtro FM

それではこちらから1組。BekBeksonとAtina Korneliusによる兄妹バンドAsea Soolです。元々はBekBeksonのソロ活動の延長として始まったようで、シネマティックなエレクトロニカからロック、ヒップホップやダブステップと縦横無尽です。なんと言っても意外にもほどがあるロシア語歌曲「モスクワ郊外の夕べ」(Подмосковные Вечера)の日本語バージョンのカバーにやられました。 ちなみに彼らの出身地であるグルジア西部の黒海に面した港町Batumi(バトゥミ)は、領内に存在するアジャリア自治共和国の首都でもあります。ひとつ勉強になりました。

London (YouTube)
Sazamtro FM (amazon.co.jp)
Podmoskovnie vechera (Japanese version) (Soundcloud)

ガイド:
「モスクワ郊外の夕べ」、彼らの音楽性の脈絡から脱線していて、面白い! 日本ではそれほど有名なロシア歌謡ではありませんが、ザ・ピーナッツやフランク永井とかもカヴァーしているんですね。

 

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