特殊土壌地帯の指定を受けているか

まず「特殊土壌地帯」に指定されているかどうか、これは危険性を知るひとつの方法です。
 
火山噴出物が堆積した土壌は土砂災害の危険性が高くなる

火山噴出物が堆積した土壌は土砂災害の危険性が高くなる


特殊土壌地帯とは、「しばしば台風の来襲を受け、雨量が極めて多く、かつ特殊土壌(シラス、ボラ、コラ、アカホヤなど特書な火山噴出物及び花こう岩風化土その他特に浸食を受けやすい性状の土壌を言う)でおおわれ、地形上年々災害が生じ、または特殊土壌でおおわれているために農業生産力が著しく劣っている都道府県の区域」のことです。
 

シラスやマサ土の土壌に注意

特殊土壌地帯の指定を受けている地域のうち、例えば鹿児島県、宮崎県南部、熊本県の一部で見られる火山灰でできた「シラス」の土壌では、大規模な崩壊、地滑り、土石流が発生しやすいとされています。

また、中国地方の大部分、九州、四国、近畿の一部に広がる花こう岩が風化した「マサ土」の土壌は降雨による崩壊、土砂流出が激しいとされています。マサ土は地下のマグマが固まってできた花こう岩が風化してサラサラになったもので、水を含むともろくて崩れやすくなります。火山の多い日本列島では、このようなシラスやマサ土の土壌が広く見られます。
 
【図5】特殊土壌地帯の指定地域(出典:農林水産省)

【図5】特殊土壌地帯の指定地域(出典:農林水産省)


特殊土壌地帯の面積は57,588km2(国土の約15.2%)を占めており、平成29年4月1日現在の対象市町村数は254市町村、人口は1,301万人、全域指定県は5件あり、鹿児島、宮崎、高知、愛媛、島根となっています。一部指定県は9県あり、大分、熊本、福岡、山口、広島、岡山、鳥取、兵庫、静岡となっており、主に西日本に広く分布していることがわかります(【図5】参照)。
 

各自治体が公表しているハザードマップを確認しよう

ピンポイントである地域の土砂災害の危険性を知りたいときは、各自治体が公表しているハザードマップを見たり、問い合わせをしてみましょう。

ハザードマップとは、ある場所で自然災害が発生したときに、被害を受けるであろうと想定した範囲を地図上で表したもので、危険箇所を色分けしたり、避難場所や避難時の心構えなどが掲載されています。
 
【図6】各都道府県が公開している土砂災害危険個所と土砂災害警戒区域(出典:国土交通省砂防部)

【図6】各都道府県が公開している土砂災害危険個所と土砂災害警戒区域(出典:国土交通省砂防部)


【図6】は各都道府県が公開している土砂災害危険箇所と土砂災害警戒区域の情報をまとめたもので、国土交通省砂防部のホームページから調べることができます。ここで調べたい地域をクリックすると、【図7】のような地域別の土砂災害ハザードマップを見ることができます。
 
【図7】北海道の土砂災害警戒区域等の指定および基礎調査結果(20180907時点)

【図7】北海道の土砂災害警戒区域等の指定および基礎調査結果(20180907時点)

 

土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域

ところで、土砂災害警戒区域土砂災害特別警戒区域とは何なのでしょうか。土砂災害警戒区域とは、急斜面値の崩壊などが発生した場合に、住民等の生命または身体に危害が生じる恐れがあると認められる区域であり、指定されると市町村に対して住民の避難計画やハザードマップつくり、避難訓練などが義務付けられ、危険の周知、警戒避難体制の整備が行われます。

土砂災害特別警戒区域とは、土砂災害警戒区域よりさらに危険性が高いと指定された地域で、土砂災害警戒区域で行われる対策にプラスして特定の開発行為に対する許可制、建築物の構造規制等が行われます。また、建物を補強したり安全なところに移転する場合には支援措置を受けることができます。いずれも土砂災害防止法に基づき、都道府県が土砂災害の危険性を調査し、土砂災害の恐れのある区域等を指定するものです。

住宅を新規購入したり賃貸に入居する場合などの不動産取引が行われる際の「重要事項説明」では、これらの指定区域に入っている場合もきちんと説明しなくてはいけないと定められています。

ハザードマップだけでは不十分? 危険性を知るその他の手段を次のページで見てみましょう。