分配金の平均額は70円前後だが…
楽天証券が調べたところによると、毎月分配を行う国内追加型株式投信の平均分配金額は約70円(1万口あたり。以下同。)です。投資家が要求する月次分配金の水準は上昇傾向にあり、かつて「グロソブ」が脚光を浴びた2000年代半ばの30~45円から、現在は海外リート型や米国ハイ・イールド債券型に多い70~75円が平均的な水準となっています。より高い分配金を望む声は年々高まっており、最近では遂に毎月300円を支払うファンドまで誕生しました。そこで今回は、2014年7月からさかのぼること6カ月間に渡り、毎月200円以上の分配金を支払った「超高分配」ファンドを抽出してみました。
高分配の背景には相応のリスクも
計16本のラインナップを見てみると、いわゆる「超高分配」ファンドの中には、通貨選択型やオプション内蔵型が多く含まれていることが分かります。為替の先物取引やオプション取引の活用など、大多数のファンドは高水準の分配を実現するために相応のリスクを取っています。また、肝心の運用成績を見ると、6カ月間の累積騰落率(トータルリターン=分配金を再投資したと仮定して算出)はどのファンドも概ねプラスですが、分配金を加味していない、単純な基準価額の騰落率はマイナスか、ほとんど変動がないことが分かります。
分配はあくまで運用資産の払い出し
投資信託を選ぶ際は、分配金を加味したトータルリターンを重視することが鉄則です。しかし、分配金を再投資せずに毎月受け取っていた場合、基準価額の変動部分に相当する元本はほとんど変化がないか、目減りしている可能性もあります。特に、分配水準の高いファンドは、前述の通り、追加的なリスクを負担していることが多く、基準価額の変動幅も大きくなりやすいという特徴があります。中長期的な資産形成を目指す場合は、分配金が運用資産の払い出しであるということを改めて念頭に置いた上でファンドを選ぶ必要があります。