身近になってきている通信制高校
通信制高校は新しい学校が開設され、身近な存在になってきました
高校には全日制課程、定時制課程、通信制課程3つのタイプがあり、通信制課程のある高校を通信制高校と呼んでいます。卒業資格は、いずれも「高卒」で同じです。
通信制高校は、この15年ぐらいの間に学校数も増え、学ぶ内容も多様なものになってきたのでだんだんと存在を知られるようになってきました。
高校の学校数は約5,200校あります。このうち92%は全日制課程を持つ高校、13%は定時制課程をもつ高校です。全日と定時の2つで100%を超えてしまうのですが、これは1つの高校で全日制と定時制の両方の課程を持つ高校があるからです。
一方、通信制高校はというと、学校数は全国に231校あり、高校全体に対して4.4%となります。通信制にも、1つの高校で全日と通信というように2つの課程をもつ高校もあります。学校数が増えてきたというわりには少ないのですが、以前はもっと学校数も少なかったので目立たなかったのかもしれません。
ほとんどの県に公立と私立がある
各都道府県には、公立の通信制高校が1校以上あり、東京都や神奈川県などには複数の公立高校が開設されています。全国の公立高校は現在77校、私立高校は154校と、7割近くを私立高校が占めています。以前は公立校の方が多かったのですが、新しく開校した通信制高校の多くが私立高校だったことで2003年度に公私の学校数が逆転しました。私立通信制高校が開設されていない県は、2014年8月現在、5県ありますが、全国的にみれば、公立校と私立校の両方が県内にあるのが一般的になってきました。国立はありません。
公立の通信制高校は、その都道府県に住む人を入学の対象としています。東京都立高校の場合なら、東京都に居住する人または勤務する人を対象としています。
私立の通信制高校は2種類に分かれます。3県以上の広い地域から入学できる高校を広域校と呼び、2県以下から入学できる高校を狭域(きょういき)校と呼んでいます。その内訳は広域校が約6割、狭域校が約4割となっています。
次のページでは、授業料など全日制高校と通信制高校との異なるポイントについて説明します。