通信制高校のインターネット講座が本格化しています。通信制高校では、2004年度から教科書に準拠したネット授業やDVD教材が正規の授業として認められました。全日制高校でも遠隔授業導入が最近話題になっていますが、通信制分野では、一歩先んじてこの春はネット活用がシステム、ツールともに発展しそうです。

アバターで高校卒業へ、ゲーム感覚で学校生活を演出

アバター

200通りのアイテムを使った自分のアバターで学校生活

インターネット上の仮想学校に自分のアバター(分身)を通わせる自宅学習システムを活用して高校を卒業する。
そんなゲーム感覚の学び方が2015年4月から通信制高校で行われます。「サイバー学習国」という名称のシステムを導入するのは明聖高校です。開校から15年目を迎える千葉県にある私立通信制高校で、卒業生はこれまでに約4,000名を数えています。

明聖高校のねらいは、アバターを通じて生徒や教員とのコミュニケーションを図り、学校に通えなかった生徒が安心して学校生活を続けられるようにすることです。大学の場合は、すべての学習をネット上で完結することもできますが、通信制高校では登校によるスクーリングが必要になります。サイバー学習国の場合でも、年間4日間のスクーリングが行われる予定です。

動画授業

動画授業は20分にまとめられコンパクトでわかりやすい

授業はインターネット上で約20分の動画授業と課題学習で進めて行きます。短い授業時間でコンパクトに内容をまとめていることと、繰り返し視聴できるようになっています。You Tubeにアップされているデモ動画を見ると思ったより理解が進みそうです。

おもしろいのは、授業やミニテストをこなしてゆくとサイバー学習国内で使えるポイントがたまっていくことです。ポイントは、洋服やアクセサリーなどのアバターアイテムとの交換ができます。このあたりはまさにゲーム感覚です。

ネット学習で苦戦する生徒の改善を

ネット上で大部分の学習を終わらせてしまうと、通いにくい生徒は引きこもり状態のままになってしまうのではないかと心配になります。

明聖高校の花澤悟史校長は「ネットの世界だけにとらわれてはいけませんが、既存の教育の中で落ち込んでしまっている生徒がいるのも事実。こうした現状に少しでも変化を与えるきっかけになればいい」と話しています。これまで同校は、週5日登校と月2回登校の2コースを開設してきました。サイバー学習国は、この2コースに加えて開設されるもので、生徒の選択肢を広げることになるでしょう。どういう生徒が入学してくるのかは、今春のスタートを待たないとはっきりとはわかりませんが、通信制高校の新しい動きとして注目されます。

この一方、インターネット学習のツールとしてタブレットPCを活用する動きが今春は通信制高校の中で一気に広まりそうです。次のページでは、その実情を紹介します。