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7月は中国、インドネシア株ファンドが好成績

2014年8月に入り世界的に株価は急落したものの、7月を見ればロシアなどの一部の国を除いて概ね堅調な1ヵ月だったと言えるでしょう。7月はこれまで注目されなかった市場の株価が上昇したことから、騰落率上位のファンドは初顔がそろっています。投資資金の流出入を含め、7月の投資信託の概況を見てみることにしましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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大統領が変わった国は好成績が続く

純資産総額10億円以上、ブル・ベア型ファンド、DC(確定拠出年金)専用、SMA(ラップ口座)専用ファンドを除く、2014年7月の騰落率ランキング第1位は、大和証券投資信託委託が運用する「ダイワ・ランジング・インドネシア株式ファンド」。騰落率は12.66%でした。第2位もアムンディ・ジャパンが運用する「アムンディ・インドネシア・ファンド」で、騰落率は11.92%でした。

騰落率をチェック

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この2本の他、ING投信が運用する「ING・インドネシア株式ファンド」が騰落率11.16%、イーストスプリング・インベストメンツが運用する「イーストスプリング・インドネシア株式オープン」が騰落率11.04%とインドネシア株ファンドが好調でした。インドネシアは7月の大統領選挙で改革派のジョコ・ウィドド氏が当選。経済改革期待からインドネシアの株価指数、ジャカルタ総合指数が年初来高値の水準まで上昇したことによるものです。

低迷していたインドは首相が、インドネシアは大統領が変わったことにより、改革が進むと期待され株価が上昇したことを考えれば、10月のブラジルの大統領選挙でも大統領が変われば株価上昇となるかもしれません。

第3位は国際投信投資顧問が運用する「中国株オープン」で、騰落率は11.29%でした。騰落率上位は先にあげたインドネシア株ファンドを除くと、ほとんどが中国株を投資対象とするファンドです。中国株ファンドが好成績の背景は、7月のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)の速報値が1年半振りの水準に改善、中国政府の景気テコ入れ策期待により株価が上昇したことがその要因です。

なお、全ファンドを対象とするとシンプレクス・アセット・マネジメントが運用する「中国H株ブル2倍上場投信」の騰落率20.52%が第1位でした。第2位は同じ運用会社の「マザーズ・コア上場投信」の騰落率20.28%でした。マザーズ・コア上場投信の好成績の背景は、組み入れ第1位のミクシィの株価上昇によるものです。

REIT型ファンドの資金流入活発

2014年7月の公募投資信託の投資資金の流出入額を見てみましょう。

まずは資金流入からですが、第1位は野村アセットマネジメントが運用する「野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(通貨選択型)米ドルコース(毎月分配型)」で、1365億円の資金流入がありました。3ヵ月連続1000億円超の資金流入となり、月末ベースの純資産総額は初めて1兆円を超えています。

純資産総額第3位の国際投信投資顧問が運用する「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」との純資産総額の差は7月末ベースで約350億円。グローバル・ソブリン・オープンは、毎月資金が流出していることから、早ければ8月中に純資産総額ランキングの順位が入れ替わりそうです。ちなみに、グローバル・ソブリン・オープンは7月も262億円の資金流出となりました。

第2位は日興アセットマネジメントが運用する「ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)」で、437億円の資金流入です。上半期のほとんどは資金流入額ランキングの10位以下が多かったのですが、6月に第5位にジャプアップした流れを継続し7月は第2位でした。

海外REITを投資対象とするファンドは、損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントが運用する「好配当グローバルREITプレミアム・ファンド通貨セレクトコース」が412億円、新光投信が運用する「新光US-REITオープン」が382億円が投資資金を集めています。

第3位はアムンディ・ジャパンが運用する「アムンディ・欧州・ハイ・イールド債券ファンド(豪ドルコース)」で、423億円でした。資金流入が活発だったのはトルコリラコースでしたが、7月は豪ドルコースが勝ったようです。ただ、トルコリラコースも349億円の資金流入がありました。

上半期、常に資金流入の上位にランクインしていたフィデリティ投信が運用する「フィデリティUSハイ・イールド・ファンド」は、213億円の資金流入と奮いませんでした。

資金流出では、グローバル・ソブリン・オープンが第1位、第2位は大和証券投資信託委託が運用する「ブラジル・ボンド・オープン」の244億円です。上位の顔ぶれは大きな変化はないものの、気になるのが日本株を投資対象とするファンドからの資金流出です。

第3位の野村アセットマネジメントが運用する「日本ブランド株投資(通貨選択型)ブラジルレアルコース(毎月分配型)」の220億円、同じく野村アセットマネジメントが運用する「日本高配当株プレミアム(通貨選択型)通貨セレクトコース(毎月分配型)」が120億円、DIAMアセットマネジメントが運用する「日経225ノーロードオープン」が109億円、JPモルガン・アセット・マネジメントが運用する「JPMジャパンマイスター」が82億円などです。

1本当たりの資金流出額は多くはないものの、インデックス型、アクティブ運用、通貨選択型などと多様な種類の日本株ファンドから資金が流出しているのは気になるところです。気が早いですが8月の資金流出が気になるところです。
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