典型的な町中華「成光」
さて、残りの御三家は僕1人で訪問することにした。このさくら通りの入り口にあるお店が「成光(なりみつ)」という店名であることは今回初めて知った。ただ、僕も北尾トロもこのお店を見たときに声をあげた。ここには何度か来ている気がする。僕と北尾トロが1980年代の半ばに働いていた編集プロダクションがすぐ近くにあるからだ。はっきり記憶に無いのは、一つにはもうずいぶん昔のことだということと、もう一つにはあの頃はこういうお店があちらこちらにあったからだろう。
お昼はずいぶん過ぎているけれど、お客さんはいっぱい。カウンターとテーブル席があるが、だいたいテーブル席で相席になっている。もちろん半チャンラーメンをオーダー。あとからきた男性が「チャーシューメン、麺かためで、それから半分チャーハン」とオーダーしていた。半分チャーハンというのもあるんだ。さらにその後の男性も「麺かためで」とオーダーしている。
まずやってきたのはラーメン。オーソドックスなビジュアル。スープをひとくちいただくと、おお、エッジの効いた醤油味だ。東京ラーメンにはいくつかのスタイルがあるが、こういう醤油が全面にキリリとくるタイプ、最近は珍しいかも。たぶん鶏ガラスープ。ド本流の東京ラーメンだ。ちょっと待ったけど、半チャーハンがこないので、ラーメン食べちゃおう。
麺はやわらかめの中太ストレート麺。他のお客さんが「麺かため」とオーダーするのは、普通だとけっこう柔らかめだからだ。昔のラーメンって、こういうやわらかい麺が多かったような気がする。僕はこの麺、けっこう好き。
ズルズルと麺を食べ尽くしたところで、半チャーハンの登場。
チャーハンを単品で頼む人や、麺類に半分チャーハン、普通サイズのチャーハンを一緒に頼んでいる人もいて、お店のチャーハン率はかなり高い。食べてみるとなるほど、パラパラでおいしいチャーハンだ。ちなみにこちら、昭和30年より前に創業だそうで、約60年もここで営業していることになる。